チンチラについて

!HPをご覧のみなさまへ

現在、全国から電話でのお問い合わせがありますが、 電話での診療相談・オンライン治療は行っておりません。
ご理解とご了承をお願いいたします。

※初診でのお問い合わせ・手術の予約・セカンドオピニオンのご確認などは受付時間内にお願いいたします。
(よくある質問は当院ホームページ「Q&A」をご覧ください。)

分類

齧歯目 Rodentia、チンチラ科 Chinchillidae、チンチラ属 Chinchilla に分類され、オナガチンチラ、タンビ(チビオ)チンチラ、コスチナチンチラの3種に分けられます。

ペットとしてみられるのは、ほとんどがオナガチンチラです。

特徴・生態

チンチラは毛皮の美しさから、乱獲による絶滅の危機に陥った歴史もあり、野生のチンチラはチリの保護区の一部に数千頭が生き残っている程度です。

野生のチンチラは、アンデス山脈の標高の高い寒冷な乾燥地帯に生息しています。
夜行性の動物で、夕方から活動を始めますが、日中活動することもできます。

野生下では、餌は低木の根や葉、皮、草や枯れ草、サボテンなどを食べます。
飲み水は夜露や雪解け水などを飲みます。

寒く乾燥した気候に耐えるために進化した毛のため、高温多湿には耐えることができません。

皮脂腺からラノリンという物質が分泌され、皮膚の乾燥を防いだり、被毛に汚れがつきにくくしたりしますが、被毛が絡まないようにするために砂浴びで除去する必要があります。

すべての歯は、常生歯で一生伸び続けます。
前肢はとても器用で、片手で物をつかんだり、持ち上げたりできます。
後肢は跳躍するのに発達しており1mくらい垂直にジャンプできるといわれています。

雌雄鑑別として、雌は包皮のように見える円錐状の陰核を持ちます。
膣閉鎖膜があり、発情期(3~5日間)と分娩時以外は基本的に閉じています。
雄は、鼠径輪が開口しており、陰嚢がありません。
雌の陰核と雄の陰茎は似た突出した形になっているため、生殖突起と肛門の距離が短いのが雌で、距離が長いのが雄と、見分けます。

  

繁殖特性

性成熟は8か月、野生下では季節繁殖動物ですが、ペットのチンチラは周年繁殖で、いつでも繁殖可能です。
性周期は30~50日、妊娠期間は平均111日です。
産子数は平均2頭で、毛も生えそろった状態で生まれます。

  

生理学的特徴

成熟体重 雄:400~600g 
雌:450~800g
体温 37.0~38.0℃
平均寿命 10才
発情周期 年中(飼育下)
  

健康管理

ご家庭で行う健康管理

  

☑体重管理・食欲のチェックしましょう
健康を守るためにも食べさせてはいけない食品や作物を把握し与えましょう。
フード(牧草・ペレット)は与える量を管理して、日頃から食欲があるか、偏食になってないかチェックをしましょう。

  

☑排便・排尿のチェックをしましょう
便・尿の回数や形や色などを把握することで、日々の健康チェックができます。

  

☑コミュニケーションをとりましょう
日頃からコミニケションをとることで人に慣れ、ストレスのない環境が健康維持にもつながります。
また、コミュニケーションをとる事で定期的に健康状態をチェックしたり、病気やケガをしたときに処置や薬を服用しやすくなります。
※ストレスに弱い動物なので、過度なふれあいや環境の変化には気を付けましょう。

  

☑運動や遊びをさせましょう
運動ができるスペースを用意することで肥満防止になり、ストレスのない体を維持する事ができます。

  

☑砂浴びをさせましょう
皮膚腺からのラノリン分泌液より毛が固まりやすくなるため砂浴びをさせ毛皮の健康維持をしましょう
※砂による目の炎症や長時間の砂浴びは皮膚の乾燥による炎症もおこりやすいため注意が必要です

  

☑動物病院で健康診断を定期的に行いましょう
病院での健康診断を定期的に行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。

  

年齢比較表

  • チンチラ 人間
    1歳 12~13歳
    2歳 20~21歳
    3歳 22~26歳
    4歳 27~31歳
    5歳 32~36歳
    6歳 37~41歳
    7歳 42~46歳
    8歳 47~51歳
    9歳 52~56歳
    10歳 57~60歳
  • チンチラ 人間
    11歳 61~64歳
    12歳 65~68歳
    13歳 69~72歳
    14歳 73~76歳
    15歳 77~80歳
    16歳 81~84歳
    17歳 85~88歳
    18歳 89~92歳
    19歳 93~96歳
    20歳 97~100歳
  

飼育環境

温度・湿度の管理ができ、夜行性のため昼間は静かな環境であることが大切です。
直射日光やエアコンの風が直接あたらない場所に設置します。

また、神経質な性格であり、聴覚が発達しているため、音の出る電子機器などの側にケージを置かないようにします。
理想環境温度は18~20℃・湿度は30~40%以下に保ちます。
高温・多湿環境では耳が充血する、重度の熱中症: 流涎、呼吸促拍、高体温
チアノーゼ(歯肉、舌の貧血色)、 虚脱状態から死亡に至ります。

チンチラは、単独・つがい・集団でも飼育が可能で、一夫多妻の形をとることもできます。
ただし雌同士、雄同士は同居されられないことが多いです。
雌は個々の部屋に住まわせ、雄だけが自由に個々の雌の部屋を行き来できるようにすることが大切です。

  

飼育ケージ

飼育ケージ

よく齧る動物なので金属のケージが良いです。
単独飼育の場合、ケージの大きさの目安としては、幅60~80cm、奥行き45~60cm、高さ60~80cmほどです。

ジャンプする動物ですので、ある程度の高さは必要ですが、45cm以上の高さがあると落下事故を起こすことがあるので注意が必要です。(足場のレイアウトに気をつけます)
四肢の外傷を防ぐため、金属メッシュの床は使用しない方が良いです。
使用する場合は、網目の大きさを15×15mm以下にします。

  

ケージ内に必要なもの

床材

メッシュ状の金網や硬いフローリングは足底潰瘍の原因になるため、柔らかい木やプラスチック等のスノコタイプの物が理想です。

エサ入れ、牧草入れ

常に新鮮な牧草やペレットを入れておきます。
食器は不安定だとすぐにひっくり返されてしまうため、重い素材の器を用意します。
陶器、プラスチック、木など素材の種類も豊富なのでその子の性格に合わせて選びます。

水入れ

チンチラは飲水を積極的に行わない動物ですが、飼育下では給水ボトルを設置し、そこから自由に飲水させます。
器からでも給水ボトルからでも飲水は可能ですが、給水ボトルを使用したほうがケージ内が濡れなくて衛生的です。

トイレ

一定の場所で排泄を行わないので、必要ありません。
こまめにケージ内の清掃を行います。

巣箱・小屋

精神的にリラックスさせるために、身体が隠れる程度の大きさの物を設置します。

砂浴び

チンチラが寝転がって砂浴びができる程度の大きさの容器を使用します。
市販されている容器と専用の砂を使用するケースが多いようです。
砂浴びをしないと、分泌されるラノリンによって毛穴が塞がったり、被毛のつやが落ちてしまいます。
少なくても週2~3回は砂浴びをさせます。

運動(回し車)

運動量が多い動物ですので、回し車を設置します。
いろいろなタイプが販売されていますが、チンチラの身体にあったサイズ、四肢を引っ掛けてケガ をしたり、激しく走っても倒れたり、事故の無いような安定性のある物を選んで設置します。
ストレス軽減のためケージから出して運動させることも大切です。
その際、電気コードなどを齧られないように注意します。

  

フード(エサ)

野生のチンチラは栄養価の低い乾燥した草や灌木、低木の樹皮を主食にしています。
そのため、ペットのチンチラも牧草(チモシー)を主食にすることで、生涯伸び続ける臼歯が削れ、歯の健康が維持でき、消化器疾患の予防にもつながります。

また、チンチラは粗蛋白14~16%必要とされています。
一般的なチンチラ用ペレットには粗蛋白15~18%、粗繊維18~20%、粗脂肪2.3~3.0%の製品が多いようですので、栄養のバランスの良いチンチラ専用ペレットを少量与えます。

ペレット以外の乾燥野菜や種子などが混ざったミックスフードが市販されていますが、主食には向きませんので、ペレット単独のフードを与えるようにします。

よくある疾病・治療例

当院で治療件数が多い症例・治療内容です。
  

健康管理及び・治療の紹介

当院では、チンチラの健康診断として、
 ・不正咬合を確認するための「歯の検診」
 ・腸の蠕動を確認するための「聴診」
を主に行っています。

当院で治療件数が多い症状・疾患は、
・切歯 臼歯過長症
・食滞
・真菌性皮膚炎、皮膚糸状菌症

です。

※詳しくは症例と治療例の一覧をご覧ください。

健康管理及び・治療の紹介
健康管理及び・治療の紹介
健康管理及び・治療の紹介

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