目次
OPEN
CLOSE
※このページでは、セキセイインコ・オカメインコについて紹介しています。
HPをご覧のみなさまへ
現在、全国から電話でのお問い合わせがありますが、
電話での診療相談・オンライン治療は行っておりません。
ご理解とご了承をお願いいたします。
(よくある質問は当院ホームページ「Q&A」をご覧ください。)
分類
約1万種といわれている鳥類は40に分類されていますが、その中でペットとして飼われているのは、ほとんどが「スズメ目」か「オウム目」です。
オウム目は約350種類あり、飼い鳥となるのは主に「セキセイインコ」「オカメインコ」などの小型インコです が、最近では中大型の「コガメキシインコ」や「ヨウム」「タイハクオウム」なども見かけます。
スズメ目は約6千種類以上あり、飼い鳥となるのは主にアトリ科やカエデチョウ科です。
主に「カナリヤ」「ジ
ュウシマツ」「ブンチョウ」「キンカチョウ」などが多いです。
特徴・生態
当院で診察が多い「セキセイインコ」は、オーストラリアの乾燥地帯に生息しています。
「オウム目」の鳥は全世界の温暖な地域や亜熱帯地域に分布しています。
空を飛ぶために肺の先に気嚢(9個の空気袋)があり、骨は含気骨(骨の中に空気が入っている)になっていて体重は軽いです。
羽根の役割は飛ぶことと体温維持であり、目は暗い場所での目視は苦手ですが、明るい場所では色を認識できます。
また、鳴管があることで声まねなどができる鳥もいます。
消化器官には、エサを貯めておく「そ嚢」や、消化する「腺胃」「筋胃」があります。
おしりには、クロアカ(総排泄腔)があり、そこから尿・便・卵を排出します。
インコ類の足の指は前2本・後ろ2本あり、木に止まったり物がつかみやすい形になっています。
※温帯地域に生息する「ボタンインコ」「コザクラインコ」では、湿度を50~60%目安に調節してください。
主に診察が多い「セキセイインコ」「オカメインコ」は、大小様々な群れをつくり、巣は樹洞を利用しています。
寒さには弱く、20~28℃程度の温度環境を好みます。
(ヒナ・幼鳥、老鳥は、26~31℃程度)
セキセイインコの寿命は8年~18年ほど、 オカメインコの寿命は13年~18年ほどです
繁殖特性
主に年に2回発情し、1日おきに5~6個程度(ブンチョウは毎日)産卵します。
雌は1羽で飼育しても発情すれば産卵(排卵)します。
飼育下において発情を促しやすい環境にすると(飢え、寒さ、外敵がいない、発情対象となるおもちゃや巣材)年中、過発情、過排卵を招きやすくなるので、「発情対象となるおもちゃ」や「巣箱・巣材」を外したりするなど対策が必要です。
生理学的特徴
セキセイインコ | |
---|---|
平均体重 | 35~60g |
体温 | 41.0~43.0℃ |
発情周期 | 年中(飼育下) |
オカメインコ | |
平均体重 | 80~110g |
体温 | 41.0~43.0℃ |
発情周期 | 年中(飼育下) |
ブンチョウ | |
平均体重 | 20~28g |
体温 | 40~42℃(直腸温) |
発情周期 | 年中(飼育下) |
健康管理
ご家庭で行う健康管理
☑体重管理・食欲のチェックしましょう
健康を守るためにも食べさせてはいけない食品や作物を把握し与えましょう。
フードはバランスのとれたフードを用意し、与える量を管理して日頃から食欲があるかチェックをしましょう。
☑排便・排尿のチェックをしましょう
便・尿の回数や形や色などを把握することで、日々の健康チェックができます。
☑お手入れ(ケア)
日々のケア(爪切り、嘴のケアなど)をすることでケガを予防し健康状態を保ちます。
またケアしながらボディチェックを日頃から行うことで、病気の早期発見につなげる事ができます。
☑コミュニケーションをとりましょう
日頃からコミニケションをとることで人に慣れ、ストレスのない環境が健康維持にもつながります。
※過度なふれあいや環境の変化にはストレスになる場合もあります。
☑運動や遊びをさせましょう
運動ができるスペースを用意することで肥満防止になり、ストレスのない体を維持する事ができます。
☑動物病院で健康診断を行いましょう
病院での健康診断を行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。
平均寿命
鳥類の平均寿命 | |
---|---|
セキセイインコ | 平均8~10年 |
カナリア | 平均10~15年 |
ブンチョウ | 平均8~12年 |
オカメインコ | 平均10~15年 |
コザクラインコ | 平均10~12年 |
平均寿命
鳥の平均寿命 | |
---|---|
セキセイインコ | 平均10~15年 |
カナリア | 平均8~12年 |
ブンチョウ | 平均8~10年 |
オカメインコ | 平均10~15年 |
コザクラインコ | 平均10~12年 |
飼育環境
鳥はとても環境の変化に敏感です。
大きな振動や騒音がなく、寒暖差のない場所を選んでケージを設置します。
ストレスや運動不足を解消するためにも、放鳥できる環境を設けることも必要です。
飼育ケージ
雛鳥の場合の飼育ケージは、プラスチックケース(昆虫・魚用のケース)がオススメです。
大きさは30×30×40cmほどのケースに、パネルヒーターを敷いた上にケースを置くなど保温して、そこに隠れ家を置きます。
幼少期~大人の場合の飼育ケージは、「セキセイインコ」といった小型のインコなら、底の面積が35cm以上、高さ40cm以上のあるものが理想です。
前面が開くタイプが使いやすいです。
「オカメインコ」などの中型インコについては、底の面積が45cm以上、高さ50cm以上あるものが理想です。
前面が開くタイプか天井が開くようになったタイプが使いやすいです。
ケージ内に必要なもの
床材
トイレの躾けができないので、新聞紙や紙を敷いて尿・便が染み込むようにしておくと掃除がしやすいです。
エサ入れ、水入れ
市販用の鳥用エサ入れ、水入れを使用します。
深いエサ入れでは大量にエサを入れないと食べにくく、腐敗するおそれもあるので浅いエサ入れで、エサが飛び散らないようにカバー付きがオススメです。
水入れは衛生的なことも考慮し、外掛け式給水器がオススメです。
菜挿し
中・小型インコであれば、水を入れて青菜を挿しておける菜挿しがオススメです。
トイレ
トイレの躾けはできません。
ケージの外に向かってする場合もあるので、壁や物などは事前に対策しておきます。
ボレー粉入れ
エサ入れとは分けて小ぶりの容器を用意します。
食べやすいように浅い容器やトレーがオススメです。
バードバス
ケージ内が狭くなるので使用する時のみ設置してください。
市販の品に、外付のものがありますが、皿でも代用できます。
とまり木
止まり木が鳥の趾に対して細すぎず、太すぎないものを用意します。
※止まり木に対して鳥の趾が「2/3程度」つかまっている木が理想です。
握力が弱い場合は、木を平らにして止まりやすいように工夫します。
遊び用の木と休憩用の木と2本あると鳥が使い分けして遊ぶ事ができます。
おもちゃ
1日のほとんどをケージの中で過ごすので、インコが遊べるようなオモチャを与えます。
コザクラインコ・ボタンインコは、毛引き症になりやすい鳥種なので、音がなるものや動かして遊ぶもの、壊して遊ぶものなど、鳥用として販売されているものを選びます。
※おもちゃ(特に鏡)は発情を促す場合もあるため、吐き戻しなど発情行為が止まらない場合は外します。
巣箱
基本的には必要ありません。
しかし繁殖させる場合は設置します。
その他
温度対策として、冬場は「ひよこ電球」やパネルヒーターを用意します。
※コードをかじったり、火傷しないような工夫をします。
温・湿度計があると健康管理に役立ちます。
夜はケージにかける「カバー」や「爪が引っかからないような布」を用意した方が良いです。
フード(エサ)
インコの種類、ステージにあったものを用意します。
健康な成鳥は、体重の10%が一日の適正給餌量といわれています。
ペレット(人工飼料)を主食にする場合
鳥用ペレットは鳥の必要栄養量を考えて作られた完全栄養食です。
シード(種混合餌)を主食にする場合
ヒエ、アワ、キビ、カナリーシードの4種混合が一般的です。
シードは殻つきを用意します。
(むき餌は栄養価が低いので、殻がむけない鳥のみ使用)
ボレー粉、カトルボーン
ミネラル、カルシウムを補給するため、カトルボーン(イカの甲)か粉にしたボレー粉を用意します。
青菜
ビタミンを効果的に摂取させるために、小松菜、チンゲンサイ、豆苗などの新鮮な青菜を日替わりで少量用意します。
(ホウレンソウは有害とされているので与えてはいけません。)
おやつ
アワ穂、ドライフルーツ、果物(水分・糖分が多いものは控える)など農薬や防虫剤がついてないものを与えます。
よくある疾病・治療例
当院で治療件数が多い症例・治療内容です。
健康管理及び・治療の紹介
当院では、鳥の健康診断として、
・全身状態を確認するための「視診」
・メガバクテリアなど感染症チェックのための「便検査」
を主に行っています。
当院で治療件数が多い症状・疾患は、
・卵秘(卵塞、卵詰まり)
・卵管脱
・骨折
・そ嚢炎
・自傷行為による創傷
・メガバクテリア感染症
です。
※詳しくは「症例と治療例の一覧」をご覧ください。