最近は両生類愛好家の方も増えているようで、ウーパールーパー始めとしてカエルも患者として診察を行っています。

今回ご紹介するのは、青ガエル(シュレーゲルアオガエル)です。
青ガエル君達は全部で6匹で其々、個別の水槽に入っての来院です。
三重県四日市市からお越しいただきました。

症状としては、足が赤くなってきたとのことです。

下の写真をご覧いただきますと四肢の内側から足裏にかけて少し発赤しているのがお分かりでしょうか?

光の関係で発赤の状態が写真にはうまく出ていないのが残念ですが、上の個体より下の個体が赤みが強いです。

以下のような症状が出た場合、細菌性皮膚敗血症(通称、赤足病)の可能性があります。

1:ももや腹部・喉元・喉元・指の皮膚が充血(血管が膨張)して赤くみえる。

2:悪化すると潰瘍、出血、壊死を起こして皮膚がはがれたり、指の骨が飛び出したり、指そのものが取れてしまったりする。

3:体重が減り、不活発で、皮膚の光沢が無くなる。皮膚全体が浮腫んだ感じになる。

4:最後には痙攣して、昏睡し、死に至る。

赤足病は、飼育中の両生類の病気としてはポピュラーです。

その一方で、野生の両生類では非常に発症例は少ないそうです。

つまり飼育環境が不衛生のため、この疾患がおこるとされています。

一般にはこの赤足病は原因はAeromonas hydrophila(エロモナス・ヒドロフィラ)の感染とされています。

最近では、カエルツボカビ症の実態調査の中でラナウィルス属のイリドウィルスもこの赤足病に関与しているとの報告もあります。

いずれにせよ治療法としては以下の通りです。

1:感染した個体は速やかに群れから隔離すること。

2:水槽内の水の塩分濃度を0.6%(高張液)になるようにする。

3:抗生剤(テトラサイクリン)を水槽の水に添加して薬浴(皮膚から薬を吸収させる)。

今回は多頭飼育されていますので、赤足病の強力な感染力に対抗すべくメチレンブルーとアクリノールの合剤の薬浴も併せて処方しました。

治療10日後の写真が下のものです。

発赤のあった足裏から下腹にかけてきれいになりました。

食欲・元気共良好です。

まめに水槽はお掃除して、きれいな環境を整備して下さいね!

 

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