マイクロチップについては、世間的にも知られていると思いますが、ペットの身分証明ですね。

マイクロチップは直径が2mm、長さが12㎜前後の電子標識器具です。

その内部はIC,電極コイル、コンデンサから構成されています。

外部は生体適合ガラスで作られています。

このマイクロチップを専用の注射器(インジェクター)で、皮下に埋め込みます。

下写真がマイクロチップ内蔵のインジェクター(データ―マース社、アイディール)です。

東北大震災後に、このマイクロチップを入れてほしいという飼主様からの問い合わせが何件もありました。

迷子や盗難、事故などによって飼主様とペットが離れ離れになっても、マイクロチップのデータ―を専用リーダーで読み取って、データ―ベースに登録された情報と照合して、ペットが保護先から戻ってくることが出来ます。

本日ご紹介しますのは、ウェルッシュコーギーのしおんちゃん(7か月令、雌)です。

マイクロチップを避妊手術の次いでに入れてほしいとのご要望がありました。

これから避妊手術を実施するところです。

しおんちゃんは、手術前ということもあって緊張しています。

さて手術も無事終了して、これからマイクロチップを皮下に打ち込みます。

下写真の様に針が、思いのほか太いことに驚かれるかもしれません。

それでも、一瞬で注入できますので過度の苦痛を与えることはありません。

マイクロチップが皮下にしっかり挿入されたのを確認して終了です。

数秒でこの処置は完了します。

マイクロチップ内にはバッテリーは入っておらず、読み取り専用リーダーから発信される電波が、電磁誘導によってマイクロチップ内のコイルに電力を発生させ、これによってICチップが起動して15桁の№データ―を発信する仕組みになっています。

そのため、マイクロチップは半永久的に使用することが可能となります。

下写真がそのリーダーです。

黄色矢印の小窓にマイクロチップのデータ―が表示されます。

このデータ―は15桁で表示され、世界でその動物に唯一のデータ―となります。

リーダーは全国の動物病院、保健所、動物愛護センターに配備されています。

犬は生後2週齢、猫は4週齢からマイクロチップの埋め込みが可能です。

現在は、生体販売時にすでにマイクロチップの埋め込みを完了しているペットショップも多いです。

マイクロチップの番号、飼主様の名前・住所などを動物ID普及推進会議(AIPO)に飼主様自ら登録していただきます。

その登録費用は1,000円です。

マイクロチップの皮下埋め込み費用は、各病院で異なりますが数千円からとなります。

マイクロチップを装着することで動物たちが受ける恩恵は大きいと思います。

ヨーロッパやオーストラリアでは、動物愛護団体が普及活動を実施しています。

その一方で、日本国内では行政、獣医師会とも足並みがそろわず、動物保護団体が個々で自助努力している状況です。

マイクロチップの普及活動が効率的に行えるよう、ささやかながら協力して行きたいと考えております。

しおんちゃんもマイクロチップを装着しましたから、迷い犬になっても飼主様のもとに帰ることが可能です。

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