ウサギキュウセンヒゼンダニ感染症
ウサギのツメダニ感染症の多くは背部の皮膚に病変が生じるケースが多いです。
しかし今回の感染症は、皮膚よりも足裏や耳介部に寄生して顕著な痂皮(かさぶた)を生じています。
まず四肢の足裏ですが、黄色丸に示すように痂皮が形成されています。
ウサギ君自身も非常に足裏を気にして舐めたりしています。
加えて、耳介部の縁にそって痂皮(黄色丸中)が形成されています。
この耳介部もかなり痒いらしく、肢をつかって掻いたりしています。
早速、患部をメスの刃で掻把(ひっかくこと)して、顕微鏡で確認したところ下の写真の様にダニを発見しました。
以前、ウサギのツメダニ感染症をウサギの疾病に載せました。
ツメダニの特徴は皮膚にフケがたくさん生じるところに特徴があります。
今回のダニはウサギキュウセンヒゼンダニと言いまして、特に耳道内に入り込み耳の中にコーンフレークのような耳垢を形成します。
このキュウセンヒゼンダニは、皮表の脱落表皮と組織液を摂取しつつ、体表部で生活をします。
それでも、ウサギからすれば非常に患部は痒みを伴います。
このウサギ君は、そこまで感染症が進行していませんが、早く治療しておかないと特に足裏は、ソアホックに移行しそうな勢いなので要注意です。
早速、セラメクチンという薬剤を投与して治療を開始致しました。
寄生するダニの種類によっても、症状・病変部が異なりますので注意が必要です。