フェレットのミミヒゼンダニ症
フェレットの0歳児に多く見られるのが、ミミヒゼンダニの感染症です。
耳の中を覗くと耳垢でギッシリというケースも多いです。
よくよく検耳鏡で注意してみていますと耳垢の表面にダニがゾロゾロうごめくのが見られたりします。
今回ご紹介するのはフェレットのチロちゃんとラッキーちゃんです。
健診の際に2匹ともに真っ黒な耳垢が外耳道に詰まっていました。
この耳垢を顕微鏡で見たのが下の写真です。
多数のミミヒゼンダニがうごめいています。
中には交尾している個体もいます(黄色い部分)。
ミミヒゼンダニは接触によって感染していきます。
幼体の寄生例が多いのも親フェレットからの感染によるところが大です。
感染すると耳道に激しい痒みを伴い、頭を激しく振ったり、後ろ足で耳を掻く仕草をします。
いずれにせよ、このままにしておくと何世代にもわたって外耳道内をミミヒゼンダニが蹂躙し、慢性化すると外耳道壁の肥厚、耳道閉塞、耳血腫などを引き起こします。
まずは、耳垢を耳道から洗浄して掃除をします。
耳の中が痒かったようで、気持ちよさげなラッキーちゃんです。
ミミヒゼンダニには、レボリューション®(成分名セラメクチン)が効果があります(下写真の黄色丸)。
このレボリューション®はフィラリア予防もでき、ダニの駆除も可能で当院では、フェレットに処方することが多いです。
ラッキーちゃんの相棒のチロちゃんも同じくミミヒゼンダニの感染を受けているのが判明しました。
フェレットを多頭飼育しているご家庭では、このような接触性感染する外部寄生虫は要注意です。
全頭を同時に治療していかないといつまでたっても、ダニの移しあいを続けることになります。
フェレット愛好家の皆さま、耳の中をいつも清潔にするよう心がけて下さい。