フクロモモンガの前肢浮腫(末梢循環障害)
つい先日、フクロモモンガで前肢の咬傷による皮下膿瘍をご紹介しました。
あの写真もそれなりに前肢の腫れが目立っていましたが、今回のフクロモモンガ君はさらに腫れが酷いです。
まさにグローブのごとく腫れています。
なぜこんな状況になったかというと下写真の左手首(黄色矢印)に部分になんと飼主様の髪の毛が巻き付いてしまったのです。
案外、小さな生き物ほどこういったアクシデントは気づかれないもので、ひどくなってから受診される特徴があります。
おそらくあと数日来院が遅ければ、断脚ということになっていたかもしれません。
フクロモモンガにとどまらず、犬や猫でもこういったアクシデントは多いです。
小さなお子様のみえるご家庭では、お子様が犬や猫の足に輪ゴムを巻いてしまい、そのことを忘れてしまい何日か経過しますと末梢部の血流障害が生じますので、早急に輪ゴムをカットしないと足が壊死を起こし、外科的に断脚を要します。
今回のフクロモモンガ君は患部の浮腫で治まり、患部に巻き付いていた髪の毛をカットして事なきを得ました。
髪の毛というのは非常に珍しいケースと思いますが、フクロモモンガをお部屋に放って遊ばせているとカーテンとか絨毯の毛が足首に巻き付いて、今回に似た症状を引き起こしますのでご注意ください。