フトアゴヒゲトカゲの肺炎
フトアゴヒゲトカゲは10年くらい前と比べて、ペットとしてメジャー化したと感じます。
当院では、リクガメ以上にカメレオンやフトアゴヒゲトカゲの来院率が高いです。
このフトアゴヒゲトカゲの疾患の中でも、最近は呼吸不全で来院するケースが多いようです。
本日ご紹介しますのは、フトアゴヒゲトカゲのクルミちゃん(1歳2か月、雌)です。
クルミちゃんは呼吸が荒くなり、開口呼吸を頻繁にするため来院されました。
聴診をしますと呼吸のたびに雑音が聴取されます。
レントゲン撮影を実施しました。
さらに患部を拡大します。
下写真の黄色丸で囲んだ箇所は、肺野が炎症を起こして白くなっています。
クルミちゃんは肺炎に罹患してしまったようです。
開口している時間が長く、あまり動きもしません。
食欲も今後低下しないかと心配なところです。
抗生剤と気管支拡張剤、それからビタミン剤を投薬して経過を診ていくこととします。
フトアゴヒゲトカゲの肺炎の場合は、ウィルス性か細菌性感染で発症する場合が多いです。
飼育環境の温度・湿度設定も重要ですし、食餌のバランスも留意して頂きたいところです。
一般にフトアゴヒゲトカゲをはじめとして、爬虫類は通常鼻呼吸をしますが、開口呼吸に変わったらこれは呼吸がかなり辛いということを認識して下さい。
そして早く受診されることをお勧めします。
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