モルモットのセンコウヒゼンダニ症
こんにちは 院長の伊藤です。
モルモットは一般的に外部寄生虫の感染で皮膚疾患に至るケースが多いです。
今回、ご紹介するのはセンコウヒゼンダニ感染症です。
イングリッシュモルモットのライゼ君(雄、年齢不明)は激しい脱毛、落屑(ふけ)があるとのことで来院されました。
下写真黄色丸に部分が脱毛、皮膚の発赤が認められる部位です。
患部をさらに拡大します。
下写真の黄色丸は落屑がたくさん溜まっています。
痒みと落屑が酷い点から外部寄生虫の感染を疑い、被毛と皮膚にセロテープを圧着させスライドガラスに張り付けて顕微鏡検査をしました。
下写真はその鏡見像(低倍率像)です。
下は高倍率像です。
この寄生虫はモルモットセンコウヒゼンダニです。
皮膚を穿孔してトンネルを掘り、孵化した第2世代が再度穿孔を繰り返して、皮膚にダメージを与えていきます。
感染を受けたモルモットは、体幹部から四肢末端に至るまで極度の掻痒感を呈します。
掻痒感故に搔き毟って、細菌性皮膚炎を引き起こす個体も多いです。
病変部の皮膚は乾燥・肥厚し、食欲不振・体重減少を招きます。
基礎体力のない個体では致命的となる場合もあります。
治療法としては、イベルメクチン(駆虫薬)の内服を1週間続けていただきます。
駆虫が成功すれば、皮膚炎も改善して発毛も始まります。
ライゼ君、しっかり治していきましょう!
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