こんにちは、獣医師の苅谷です。

最近、朝も冷え込むようになり夏が終わり、秋が近づいてきましたね。

秋はおいしい食べ物が多いので食べすぎに注意ですね。

今回は犬や猫の味覚についてお話しします。

味覚とは五感の一つで食べ物を認識するための感覚です。

味覚には人だと、甘味、酸味、苦味、塩味、旨味の五つですが、犬や猫では旨味の部分が抜けてきます。

味覚は生物が生きていくため、食事をする上で必要不可欠なものであり、そのものが食べられるものかどうかを判断するうえでは重要な感覚です。

そのため味覚の中でその感じやすさはその動物たちの食性、つまり主食としている食べ物によって変わってきます。

まずは甘味です。

犬の場合ですと雑食であるため、肉食の猫とは違い、果物や穀物、野菜なども食べるため、糖を感知する甘味が感じやすくなっています。

食パンや焼き芋、アイスクリームといったものが好きなのはこういった甘味を敏感に感じ取ることができるからだと思います。

一方、猫は肉食であるため基本的に糖を感じ取る必要がないので、甘味に関してはあまり感じません。

主食であるお肉の中には甘味として感じる糖はあまり含まれていないため、必要がないため感覚としては薄れていったのだ思います。

次は酸味についてですが、いわゆるすっぱい味のことです。

これは食物が時間の経過に伴って酸化、つまり腐敗していくとこの酸味は増してゆきます。

つまり酸味は食べ物が腐っているかどうかを判断する材料となります。

感じやすさついては犬猫ともにかわりはありませんが、その食べ物を食べるかどうかは違いが出てきます。

猫の場合だと、祖先は元々生きている獲物を捕獲して新鮮な内に食べるという生活をしているため、酸味が強くなってくると食べなくなってきます。

一方、犬の場合ですと群れで生活していたため、狩りが成功したとしても序列の低い者たちが食べることができる量は少なくなってきます。

たとえ腐っていて生きていくためには、食べられるものであれば何でも食べるということであまり酸味は気にしないようです。

かといって食中毒になる可能性があるので食べさせるのは良くないですけどね。

次に苦味についてです。

苦味はどんな動物においても感じやすいです。

苦味は体にとっては有害物質つまり毒物であるため、体を守る上では重要であります。

舌の上でこの苦味を感じる位置は舌の一番根元にあります。

猫の場合、この苦味にかなり敏感なのでお薬には苦いものが多いので結構投薬が大変なことが多いですね。

最後に塩味です。

肉食動物である(あった)犬や猫では一番感じにくい部分になってきます。

塩分は生き物にとって必要不可欠ですが、主な食べ物である肉には豊富に含まれています。

塩分を気にして取る必要がないため、塩味についてはあまり感じなくなってきたのでしょう。

味覚については以上ですが、犬や猫にとって味覚はどちらかというと食べられるかの指標の一つのようです。

食べ物の好みはどちらかというとニオイ(風味)や食感に重きを置いています。

そのためニオイ(風味)や食感が落ちてくると急にご飯の食べが悪くなったりすることがあります。

フードをタッパにいれて保管したり、温めてニオイを出したりといった対策が必要となってきます。

今回は以上で終わります。

余談ですが、犬や猫には水の味がわかるそうですね。

味覚について少しわかったと思った方は

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