こんにちは 院長の伊藤です。

本日は久しぶりにカエルの疾病についてコメントさせて頂きます。

両生類であるカエルは、眼病に罹患する機会が多いと言えます。

水辺に生息する点から、細菌・ウィルス・真菌の感染を受ける機会が多いこと、あるいは解剖学的に両眼が突出しており、激しくジャンプしたりして眼の外傷を受ける機会も多いです。

そんなカエルですが、両生類の眼病はまだまだ不明の点も多く、明確な治療法も分からないことが多いとされます。

今回ご紹介しますのは、カエルの角膜脂質症です。

アフリカウシガエル(雌、6歳)は両眼が白くなったとのことで来院されました。

下写真黄色矢印が角膜が白くなっている部位です。

この症状は角膜浮腫、角膜炎、ブドウ膜炎等との鑑別が必要になってきます。

角膜脂質症は、そもそも栄養学的な問題が背景にあって起こります。

高コレステロールの餌を多給されることで発症すると言われます。

両生類に限った疾病ではなく、犬でもこの角膜脂質症は日常的に遭遇します。

ソバージュネコメガエルなどの樹上生活を送るカエルに多いとされます。

最初は角膜臨部が白濁し、ついで角膜全体にコレステロールが沈着して視力が低下して行きます。

視覚障害が進行しますと餌を捕食することが出来なくなり、拒食・栄養障害に至ります。

まずは、高蛋白・低カロリー食による食餌の改善から始める必要があります。

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