烏骨鶏の爪切り
烏骨鶏(うこっけい)という鳥をご存知ですか?
皮膚・内臓・骨に至るまで黒色を呈する鶏の一品種です。
羽毛は白色と黒色の二種類あります。
この羽毛ですが、成鳥でもヒヨコ同様の綿毛を呈しています。
鶏の中でも他の品種と一線を画す品種です。
本日、ご紹介するのは、この烏骨鶏のうーちゃん(♂、3歳)です。
爪が過剰に伸びたとのことで来院されました。
爪が下写真の黄色丸で囲んだように槍のごとく伸びています。
この爪で踵落としされたら、大変な傷を被るでしょうね。
本来、鳥は足の指が前向きに3本あり、後ろ向きの指が1本あり、計4本です。
烏骨鶏の場合、前向きで3本、後ろ向きで2本指があるとされます。
この指の特徴は鳥の中でも、烏骨鶏のみで、特異的な外貌から中国では霊鳥と見られていたそうです。
加えて、不老不死の食材とされた歴史もあります。
後ろ向きの指以外にも、前向きの指3本も爪が伸びてます。
犬猫用の爪切りでは、この丈夫な爪をカットすることは不可能です。
下写真の矢印のように線鋸(のこぎり)でカットします!
カットした爪の断面が下写真です。
いかに立派な爪はお分かり頂けると思います。
他の爪は大工道具のニッパーでカットします。
この点はリクガメの爪切りと同様です。
続いてうーちゃんの全身チェックです。
うーちゃんですが、頭頂部が脱毛が気になるとのことで、真菌の検査を実施しました。
脱毛部の周辺の毛を培地に接種して培養します。
2週間後にうーちゃんの培地は真っ赤に陽性と出ました(下写真)。
うーちゃんはこの後、真菌の治療を実施します。
このうーちゃんには相棒の烏骨鶏がいます。
その名はこーちゃん(♂、3歳)です。
冠が立派な烏骨鶏です。
烏骨鶏はペットとして飼われている家庭が最近は増えているようです。
手入れを行き届かせると、霊鳥にふさわしい荘厳な雰囲気を漂わせる鳥になると思います。