こんにちは 院長の伊藤です。

以前、文鳥のペローシスというテーマでブログを載せました。

ペローシスという疾病の詳細については、こちらを参照下さい。

本日は、このペローシスに罹患したセキセイインコのついての症例報告です。

セキセイインコのナツちゃん、フユちゃんの2羽の幼鳥(生後21日令)は出生時から両脚が開脚し、起立歩行ができないとのことで来院されました。

下写真にありますように両脚開脚が認められます。

ペローシスは自家繁殖した小型インコに多く発生すると言われ、遺伝によるとも考えられています。

大腿骨が内転し、脛足根骨が外転することにより開脚に至ります。

ペローシスになると起立できないため、胸部で全体重を荷重するため胸骨の変形胸郭が浅くなることによる慢性的な呼吸速迫症状が起こります。

いずれにせよ、幼鳥期(生後4週令以内)であればテーピングによる整復処置が効果的です。

まずナツちゃんです。

両脚を真下に牽引すること(草色矢印)は可能です。

しかし、牽引する手を放すと下写真のように開脚(黄色矢印)してしまいます。

そこで両脚に自着生伸縮包帯を巻いて、テーピングによる内方牽引力を作ります。

両脚がテープ固定されることである程度、自立できるようになります。

同じくフユちゃんです。

ナツちゃん同様に著しい開脚です。

二羽ともこのテーピングによる矯正を約1か月継続します。

日齢によりますが、テーピングは3日から一週間間隔で交換します。

二羽とも非常に元気ですが、テーピング矯正は日齢2か月を経過して骨化が完了した場合は効果はありません。

2か月以降の矯正は、骨切りピンニングという手術で治していきます。

ナツちゃん、フユちゃんともにしっかり自立して、止まり木に停まれるようになって欲しいです。

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