錦華鳥(キンカチョウ)のバンブルフット(趾瘤症)
こんにちは 院長の伊藤です。
いよいよ大晦日となりましたね。
今年も振り返ると色々ありました。
当院の看板犬ベティ(下写真)を亡くしたことが、自分にとっては大きな節目となりました。
当院も開業して15年経過しました。
開業当時からのお付き合いをさせて頂いている患者様にあっては、加齢によることもありますが1件づつ何らかの疾病でお亡くなりになり、寂しい限りです。
また、新しい患者様との出会いもあり、新旧の患者様から日々学ばせて頂く毎日です。
さて、本日ご紹介させて頂きますのは錦華鳥(キンカチョウ)の足底部の疾患であるバンブルフット(趾瘤症)についてです。
キンカチョウの文吉君(1歳2ヶ月・雄)は左足の足底部に瘤が出来て止まり木にとまれないとのことで来院されました。
下写真赤丸で囲んである部位が足裏が瘤状に腫れ上がっている病変部です。
この瘤状を指してバンブルフット(趾瘤症)と言います。
原因となるのは、足裏もしくは指の傷から黄色ブドウ菌等が感染し、炎症を起こすことによります。
文吉君の場合は、瘤の大きさ(下写真黄色矢印)もあり左足にはとまり木を把持する力はなく、落鳥(とまり木から降りること)して床面上での生活を余儀なくされています。
治療法としては、まずは止まり木の太さを見直してください。
止まり木を把持した指が、止まり木横断面の全周の三分の二に留まるような太さの止まり木を用意して下さい。
内科的療法として、抗生剤・ビタミン剤の投薬が効果的です。
特にビタミンAが効果的との報告もあります。
加えて、患部の痂皮(かさぶた)をぬるま湯につけて綿棒などでふやかし、優しく剥がすことも効果があります。
文吉君はこのような治療を約1ケ月続けて頂き、再診で診察を受けられました。
下写真が1か月後の文吉君です。
下写真黄色丸は文吉君の左足裏です。
1か月前の瘤は既に消失しています。
まだ指には一部痂皮が残っています。
バンブルフットは治療せずに放置すると指が壊死を起こすことがあります。
あるいは細菌が全身に回って、敗血症に至る場合もあります。
しばらく抗生剤・ビタミン剤の投薬は必要ですが文吉君、ゴールが見えてきて良かったです。
2017年も最善を尽くして参ります。
皆様宜しくお願い致します。
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