猫のミミヒゼンダニ感染症
こんにちは 院長の伊藤です。
猫を飼育されている飼主様で、耳の中をどれだけまめに耳掃除しても直ぐに汚くなると嘆かれている方も多いです。
そういう猫達の何割かは。ミミヒゼンダニの感染を受けている場合があります。
本日は、猫ミミヒゼンダニのお話です。
メインクーンのモナカちゃん(6か月齢、雌)は耳の中が耳垢でとても汚いとのことで来院されました。
耳の中を検耳鏡で覗いてみます。
耳の中が上手にカメラで撮影できずに申し訳ありません。
実は、耳の中は耳垢で真っ黒です。
検耳鏡のライトの熱に反応して、この耳垢の中で白くうごめくものが若干認められました。
直ぐに耳垢を採取して顕微鏡で検査します。
下写真の様にモナカちゃんの耳の汚れが凄いのがお分かり頂けると思います。
この耳垢を顕微鏡で診ますと下写真の様にミミヒゼンダニが認められました。
拡大写真です。
交尾しているミミヒゼンダニも認められます。
このミミヒゼンダニは、猫の外耳炎症例の半数以上に関与していると言われます。
このミミヒゼンダニは皮膚表面で生活します。
耳の中に入り込み、耳垢腺を刺激します。
耳垢腺とは、車のウォッシャー液にあたる外耳道内を洗浄する分泌液を分泌する腺のことです。
結果として、外耳道内は耳垢、血液、ミミヒゼンダニの排泄物で溢れかえるようになります。
ミミヒゼンダニは宿主のリンパ液や血液を吸うため、猫はミミヒゼンダニの唾液抗原の暴露を受け、感作される場合があります。
したがって、耳の中に今後、少数のミミヒゼンダニが入り込んだだけで激しい耳の痒みを生じることになります。
当院では、猫のミミヒゼンダニについては®レボルーションを塗布して、ダニを殺滅します。
約2時間で全身にレボルーションのセラメクチンという成分が浸透します。
1か月間レボルーションは効果が持続します。
レボルーションをモナカちゃんにつけて、その後耳掃除を実施しました。
耳内が痛痒いのと気持ちよいのと複雑な思いが表情に現れています。
耳掃除だけで疲れてしまったモナカちゃんでした。
ミミヒゼンダニの件はこれで心配ありません。
予防をかねて、レボルーションを継続して塗布されると良いですね。
モナカちゃん、お疲れ様でした!
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