チンチラの脊椎障害(だいず君の危機!後編)
先日、チンチラのだいず君(1歳、雄)の脊椎障害の件(前篇)を報告させて頂きました。
突然、起立不能になっただいず君ですが、食欲もなくなり強制給餌で何とかしのぐ状況が続きます。
加えて、直腸脱を発症してしまいます。
直腸脱は整復に成功しましたが、排便もまだできていない状態です。
全身状態も不良で、回復出来るか否か不安定な状態です。
以上が前篇の概略(受傷後8日まで)となります。
非常に厳しい状況に追い込まれただいず君のその後の報告です。
受傷11日目(下写真)になりますと、強制給餌もしっかりと飲めるようになりました。
ほんの少しですが、ペレットも自分で採食し始めました。
ずっと眼は閉じていることが多かったのですが、パッチリ開けてくれるようになりました。
疼痛もある程度、投薬で管理できているようです。
直腸脱もその後、再発することなく排便も良好です。
まだ右足の跛行があり、体重を支えるのは辛そうです。
それでも自分で歩行しようとします。
リハビリ中のだいず君の傍らで、ベティが応援しています(?)
この頃からのだいず君の回復は素晴らしいものがあります。
食欲も出て来ましたし、排便・排尿も良好です。
受傷後13日目にだいず君は退院しました。
受傷後17日のだいず君です。
保定されるのも素直に抵抗して暴れるようになり、不全麻痺を起こしていた後肢も自分の意志である程度、可動することが出来ます。
下写真は受傷後19日目のものです。
両後肢はしっかり床面を蹴ることが出来るようになりました。
続いて受傷後32日目の写真です。
この段階で、表情は健常時と変わらないくらいになりました。
チンチラは非常に繊細な齧歯類です。
今回は特に、脊椎障害に伴う後躯不全麻痺、疼痛、直腸脱と立て続けに災難が降りかかってきました。
このような状況では、先のみえない介護・困難な食餌管理で、おそらくストレスで死亡する可能性もありました。
そんな中でも、飼い主様はほぼ毎日面会に来院され、だいず君を励ましてみえました。
そんな支えもきっとあったのでしょう。
だいず君がここまで回復されるとは思ってませんでした。
合計50本に及ぶ注射にも耐えてくれただいず君、全快おめでとうございます!
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