犬の肥満細胞腫(その2)
以前、犬の肥満細胞腫についてコメントさせて頂きました。
本日も同じ肥満細胞腫の報告です。
パグの のり吉君(6歳・雄) は右肘にできものができたので来院されました。
下写真の黄色丸の箇所がそうです。
早速、細胞診を実施しました。
黄色丸で囲んだ細胞が肥満細胞腫の細胞群です。
細胞内に多数の顆粒を容れているのが特徴です。
肥満細胞腫は犬を初めとして猫、フェレット、ハムスター等よく認められます。
その中で肥満細胞腫のステージが確立されているのは、犬のみです。
のり吉君の腫瘍は真皮内に限局したもので、リンパ節への浸潤も認められない点からステージ1のタイプです。
悪性腫瘍であることから、外科手術を行うこととしました。
出来うる限り腫瘍の辺縁(マージン)を広くとるよう切開します。
出血箇所を電気メスで止血します。
切除した腫瘍です。
グレード1の肥満細胞腫では、1cmのマージンで切除後は完全なコントロールが可能とされています。
つまり再発はないとされています。
のり吉君の腫瘍は直径5㎜程度でしたので、早期発見早期摘出ができたので良かったです。
今後は再発を含めて経過を見ていきたいと思います。
のり吉君、お疲れ様でした!