犬の異物誤飲
犬の異物誤飲は日常的に遭遇します。
飼い主様が異物を飲んですぐにお連れ頂ければ、嘔吐させる薬を飲ませたりして異物を吐き出させることも可能です。
しかし、飼い主様が誤飲に気づかれず、そのまま時間が経過すれば腸閉塞(イレウス)という外科手術の対象となる疾病になってしまいます。
今回ご紹介するのは、どんぐりを食べたダックス君ですが、飼い主様が頻回にわたる嘔吐で下痢も併発するとのことで来院されました。
バリウム造影を実施したところ、小腸内で異物による完全閉塞が認められ、外科手術の適応となりました。
ダックスクラスの犬の場合、直径2cmを超える異物ですと腸閉塞の可能性は十分考えられます。
特に木の実(どんぐり)、桃の種、とうもろこしの芯あたりは要注意です。
開腹したところ、すでに閉塞部の小腸(8~9cm)は壊死を起こしており、その部分を切除して生きている小腸の端を吻合しなくてはなりませんでした。
腸を傷つけずに細心の注意で切除した腸の端と端を縫合します。
術後1週間で、ダックス君は元気に退院されました。
過去の患者様を見ますと、一度異物誤飲をした子は程度の差はあれ、何度も異物を口に入れる傾向が強いので十分にご注意下さい!当院では、異物誤飲で、ひとりで3回開腹手術を受けたわんちゃんがいます。