寒い日が続きますが、ペットに暖を取るために専用暖房機器を利用される方も多いのではないのでしょうか?

本日ご紹介しますポメラニアンのタント君(45日齢、雄)はペニスの付根がクリーム色に腫れているとのことで来院されました。

下写真黄色丸の箇所が病変部です。

患部を拡大した写真です。

触診しますと流動感のある腫瘤で、明らかに液体が患部に貯留しています。

クリーム色なのはおそらく膿が溜まっていると思われました。

まずは、患部を注射針で穿刺しました。

針で穿刺して圧迫すると膿を含んだ浸出液が出て来ました。

内溶液を押し出した後は、患部は当然ですが委縮しました。

飼い主様から伺ったところ、寒いのでペットヒーターを使用していること。

一日の内、長い時間そのヒーターの上でタント君は過ごしているそうです。

どうやらヒーターと接触している部位がペニスの付根であるため、低温火傷を起こしたようです。

低温火傷とは、比較的低温の熱源による皮膚の損傷を指します。

一般的に熱源が44度の場合、約6~10時間で火傷が生じるとされます。

エアコン、ホットカーペット、電気毛布などは低温火傷を引き起こす心配があることを認識して下さい。

いかに最弱の温度設定にしても、姿勢を変えなかったりする犬の場合は低温火傷になったりします。

極力、地肌に暖房機器が接触しないようタオルや毛布で包むなりして下さい。

タント君の場合は既に患部に水泡が生じている第二度熱傷にあたります。

水泡底の真皮の色調は鮮紅色で、浅達性Ⅱ度と言われる真皮損傷レベルでした。

完治には10日から2週間かかると思われます。

そのまま気づかずにいたら、深達性Ⅱ度で治療に1か月、ケロイドが残ることになっていたと思います。

患部の感染症対策が必要で抗生剤の外用消毒が必要です。

やっと自分で食餌が摂れるようになったタント君ですが、まだ仔犬で痛みの表現も上手くできません。

特に仔犬を飼育されている飼主様、暖房には十分な配慮をして下さい。

火傷に気づかれたら、まずは患部を冷水を含ませたガーゼや脱脂綿で冷やして、最寄りの動物病院で診察を受けて下さい。

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