各種エキゾチックアニマルを当院では診察していますが、ハンドリング(保定)の手強さではハリネズミが一番でしょう。

自分にとって敵と見るや、針を逆立てて丸くなります。

加えて鼻を鳴らして、これ以上自分に近づくなと体をゴムまりのごとく振動させたりします。

守りには非常に強い動物なので、なるべくストレスをかけないよう優しく接するようにして、丸くならないよう配慮しています。

今回ご紹介しますハリネズミ君は両側の口端部が赤くはれて気にしているとのことで来院されました。

すでに診察時点で守りに入っています。

暫く時間をおいて注視していると頭をもたげ始めます。

患部を確実に確認しなければなりませんので、さらに頭を上に挙げる時を待ちます。

それでもなかなか先に診察が進みませんので、体を斜めに倒して移動させてみましたら抵抗します。

ちょっとかわいそうですが、手袋で抑えて鉗子で口をゆっくり開けようとしました。

この時点で口端部が黄色丸で囲んだように赤くなっているのが分かります。

青矢印で示す部分が赤くただれています。

ハリネズミは唾液の分泌量が非常に多く、食欲がある場合は勿論、ちょっと興奮しても涎がたくさん分泌されます。

この後、口腔内を探査しましたが、まだ若い個体でもあり歯石はなく、口内炎や舌炎も認められませんでした。

どうやら涎による口端部のかぶれというか炎症であることが判明しました。

ステロイドと抗生剤を処方して経過を観察することとしました。

投薬にしても、本人が気に入った味にしないと涎と共に吐き出したりしますので、油断はできません。

大きな病気になってしまったら、治療が非常に難しい動物なので日常の飼育上、気になることがあればお早めに病院の診察を受けられることをお勧めします。

ハリネズミの手強さをご理解できた方は
 

 
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