フクロモモンガの健康診断
フクロモモンガの人気も定着した感があります。
当院でもフクロモモンガの健康診断の依頼は多いのですが、今回はその中で気になったことをコメントさせて頂きます。
1: フクロモモンガとのスキンシップは重要です。
飼い始めは非常に警戒心が強く、夜行性のため、積極的なスキンシップ(コミュニケーション)を避ける飼主様が多いようです。
特に1匹のみの単独で飼育される場合、寂しさのため自咬症に走る個体が多いようです。
これまでにも当院HP上で、フクロモモンガの自咬症の症例報告はさせていただいてますが、自咬症が原因で敗血症で死亡するケースも出ています。
したがって、飼育当初から根気強くコミュニケーションをとるようにして下さい。
2: 検便は必ず受けて下さい。
飼育当初から軟便が続き、食欲の割に増体が認められないような場合、検便で寄生虫感染が見つかることがあります。
特にジアルジア感染例が多いです。
検便の顕微鏡写真ですが、黄色丸がジアルジアです。
3: 爪にご注意を!
長く伸びた爪で自身の眼を傷つけたり、部屋に放たれた時にカーテンに爪が引っかかって外れなくなり脱臼、靭帯損傷に至るケースが多いです。
自然界では爪切りは必要ありませんが、ペットとして飼育される場合は必要です。
下の写真は、フクロモモンガの健康診断で爪切りをしてるところです。
フクロモモンガは基本的に爪切りは嫌いな個体が多いです。
ハムスター等と比較しても爪切りは苦労します。
上の写真は眼科検査をしているところです。
爪が伸びて角膜損傷というケースもあります。