フクロモモンガの自傷行為を以前から報告させて頂いてます。

本日はこの自傷行為、その3と言うことでご紹介します。

フクロモモンガのいいちこちゃん(1歳、雌)は食欲不振と言うことで 当院を受診し、気管支炎の疑いで内服を続けていただいてました。

10日ぐらい経過したところで、いいちこちゃんは自らの尻尾を齧るようになったそうです。

この時点でエリザベスカラーを装着して尻尾の自傷を喰いとめるべきだったかも知れません。

さらに10日ほど経過して、再診を受けられたいいちこちゃんの尻尾は壊死を起こしていました!

下写真は壊死を起こした尻尾です。

患部の剃毛をしたところ、壊死している箇所と健常な組織との境界が分かります。

緊急の状況なのですぐに断尾手術を実施することとしました。

ガスマスクに入れ、全身麻酔の導入を行います。

麻酔がかかったところで、自作のマスクにかえて患部を消毒します。

動脈からの出血を抑えるために黄色の紐で止血します。

患部をメスで切開したところ、膿が出て来ました。

この位置まで細菌が侵攻しているようなので、少し上をVの字に再切開します。

次に尾椎をロンジュールで砕いて摘出します。

電気メスで出血を確実に止めます。

尾椎を取り出して、余剰の皮膚を縫合して終了です。

実はフクロモモンガの問題はこれからです。

術後の管理が最大のポイントです。

患部を再度咬むことのないようフェルト地のカラーを装着します。

以前も自傷行為で述べたことですが、フクロモモンガは感染症に非常に弱い動物です。

その割に神経質で術後の患部は、気に入らなければとことん齧ろうとします。

傷口が完全に治るまで気を緩めることが出来ないです。

そもそも今回の症例も、なぜかいいちこちゃんが尻尾に関心を持って齧りだしたことが発端のようです。

何が原因でスイッチが入るかわからないのが、フクロモモンガひいてはエキゾッチクアニマルの難しい所でしょうね。

いいちこちゃん、傷口に関心を持たないでくださいね!

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