多くのカメレオンは樹上生活をします。

飼育ケージ内の木の上につかまって、一日の大部分を過ごすわけです。

当然、全体重を支える関節部には荷重があり、関節部が何らかの原因で炎症を起こしますと樹上生活が不可能となります。

つまり、木につかまれなくなってしまうのです。

ひいては食餌もう上手に食べることが出来なくなります。

今回、ご紹介しますのはジャクソンカメレオンのマイケル君(年齢不詳、雄)です。

マイケル君ははるばる静岡市からご来院頂きました。

ジャクソンカメレオンは見た目が、トリケラトプスという恐竜に似ていて個人的に大好きです。

実は、マイケル君は手首の関節(手根関節)が腫れてしまい、木に登ることが困難になっていました。

下写真黄色丸の箇所が腫れています。

レントゲン撮影を実施しました。

カメレオンの前肢は2本の指で出来ているように思えますが、上写真でお分かりのように指骨が3本と2本の2つに手袋の様に分かれています。

前腕骨(橈・尺骨)は正常で骨折も認められません。

また皮膚の外傷は認められません。

手根関節が炎症を起こしている可能性があります。

前腕部の腫脹が激しく、細菌感染を起こしている可能性もあります。

下写真で左右の手首の太さの違いが明瞭かと思います。

関節部の炎症、腫脹を抑えるため抗炎症剤、ビタミンD3 、抗生剤を内服して頂くこととしました。

マイケル君、早く前腕部の腫れが引いて、しっかり木に登れるようになって下さいね。

また経過は追って、お知らせいたします。

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