新年早々の疾病紹介です。

本日ご紹介するのは、アオガエルのぴょんちゃん(年齢、性別不明)です。

頭頂部にしこりが出来たとのことで来院されました。

腫脹部の大きさは約3㎜位です。

ぴょんちゃんはまだ全長2cmにも満たない幼体です。

よくよく頭頂部をご覧いただくと分かりますか?

下写真黄色丸の箇所が明らかに皮膚が膨隆しています。

この1週間ほどの内に大きくなってきたとのことです。

まず考えたのは、細菌感染による皮下組織の膿瘍です。

勿論、腫瘍の可能性もありますので細胞診をすることとしました。

ぴょんちゃんの小さな体を抑え込んで患部を針で穿刺するのですが、非常に難しいです。

穿刺した内容物をスライドガラスに塗沫して染色し、顕微鏡で確認しました。

下写真にありますように、結晶体がたくさん析出しています。

さらに拡大するとこのような形状の析出物です。

特に細菌が増殖しているとか、免疫系の細胞群が集まっているとか、あるいは腫瘍細胞が出現しているとかの所見はありません。

この析出物が何なのか。

尿石症で犬や猫の尿中に出現する結晶体(リン酸アンモニウムマグネシウム、シュウ酸カルシウム、尿酸塩など)とも形状が異なります。

このようなケースは自分としても初めてなのですが、おそらくはカルシウムが沈着して石灰化を起こすステージなのではと思います。

針で穿刺した箇所から取り出せる範囲を摘出して経過を見ることとしました。

飼い主様から伺ったところ、代謝性骨障害(MBD)を予防するためにカルシウム製剤を飲ませてるとのこと。

MBDについて興味のある方は、こちらをクリックして下さい。

過剰なカルシウムの摂取で皮下組織にカルシウム沈着(石灰化)が起こってしまったのかもしれません。

エキゾッチクアニマルはバランスの取れた食餌が重要ですが、薬やサプリメントに頼りすぎるのも要注意です。

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