こんにちは 院長の伊藤です。

年明けから手術に追われてブログの更新が遅れております。

加えて昨年末にホームページのコンテンツ・リニューアルが完成予定とお伝えいたしましたが、まだ完成に至っておりません。

鋭意努力中につき、しばしお待ちください。

年明けの話題としてカエルを選択させて頂きます。

アマガエル科のカエルが自分は好きです。

今回は、アマガエル科の中のネコメガエル属について述べます。

ソバージュネコメガエルのルイ君は左後肢の皮膚がけがをしたとのことで来院されました。

ソバージュネコメガエルはアルゼンチン・パラグアイに分布する樹上生活カエルです。

雨季と乾季に分かれる地域で生活するため、乾季の乾燥から皮膚を保護するためにワックス状の分泌物を分泌します。

そのため皮膚は丈夫で、独特の光沢を放ちます。

多湿な環境にはなじめないため、飼育ケージ内は通気性を確保する必要があります。

さてルイ君ですが、左足の外側面を皮膚欠損しています。

両生類の皮膚欠損は広範囲に及ぶものは皮膚を縫合するケースもありますが、今回のような小さなエリアでは抗生剤軟膏などの頻回塗布で皮膚再生を待ちます。

下写真は、欠損部に肉芽組織再生を促すクリームを塗布しているところです。

水中生活するカエルではこのような外用薬塗布だけでは十分な治療が出来ません。

樹上棲カエルであったのが不幸中の幸いです。

次にご紹介しますのは、ジャイアントネコメガエル(和名:フタイロネコメガエル)のネコメ君(3歳、雄)です。

名前の通り、ネコメガエル属の中では最大級のカエルで全長12cmまで発育します。

ペルー、ブラジル、コロンビアなどのアマゾン水系に棲息しています。

ソバージュネコメガエル同様、樹上棲カエルです。

日本にも輸入されてはいますが、野生個体が多く、その流通量は少ないとされます。

見かけることの少ない貴重なカエルです。

皮膚からはアルカロイド系の刺激性の強い毒物を分泌します。

この毒をインディオ達は狩猟のために弓矢に塗布したり、儀式に使用したりしていたという歴史があります。

樹上で生活するため、木との干渉で皮膚の外傷は比較的多いです。

先のルイ君同様、外用薬塗布で治療を進めさせて頂きました。

1か月後のネコメ君です。

下写真黄色矢印が当初、皮膚が受傷していた部位です。

現在は綺麗に治癒しているのがお分かり頂けると思います。

樹上棲カエルは総称してツリーフロッグと呼ばれています。

ツリーフロッグ愛好家が国内でも増えているそうです。

棲息域に合わせて、飼育環境を再現しなくてはなりません。

樹上で立体活動をするため、高さのあるケージが必要です。

特に今回ご紹介したネコメガエルは雨季と乾季のある地域帯に棲息します。

一方、日本は四季があり、季節ごとに温度・湿度の微調整が必要となり、飼育は難しいとされます。

両生類や爬虫類の愛好家の方達は、私が足元に及ばない程の知識や飼育の経験を積まれた方々がみえます。

愛好家の方達から色々勉強させて頂き、治療に還元したいと思います。

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