新米獣医師のつぶやき-part3- ~膵炎のときは・・・~
こんにちは、新米獣医師の苅谷です。
今の時期だと草木が生い茂り、除草剤まく時期になりますね。
さて、最近除草剤関連で膵炎を診させていただく機会がありました。
今回はその膵炎についてお話します。
まず膵臓とは何しているところなのかなのですが・・・
膵臓の役割は主に二つあります。
ひとつは血糖値をコントロールするホルモンを出す内分泌としての役割。
もう一つは食べた食物を分解し、消化する酵素を出す外分泌としての役割があります。
次に膵炎が起こるとどうなるかです。
膵炎になった場合の様子は、食欲がなくなったり、嘔吐を繰り返したり、背中を丸めたりなどします。
膵炎が起こっている体の中では、消化酵素が十二指腸へと行く通路から漏れ出し、自身、そして周りの組織を分解し、炎症を広げてしまいます。
このことから膵臓は「体内の火薬庫」と私は呼んでいます。
次に膵炎の治療ですが・・・
第一に行うものとして絶飲絶食(2日以内)と輸液です。
膵臓は口から物を入れ、腸管を通ることにより刺激を受け、酵素を作ります。
なので膵臓に休んでもらうという意味で絶飲絶食をするのです。
ご飯が食べられないとなったら、このようにベティはふて腐れてしまうでしょうね。
加えて注射にて、空腹による胃酸の分泌を抑える薬、腸内細菌による二次感染を防ぐための抗生剤、腸管運動を促す薬を投薬します。
最後に絶食明けの食餌は低脂肪、低たんぱくのもの-炭水化物メインのものを少量から与え始めます。
できるだけ膵臓に働いてもらわないようにするのが重要です。
今回、膵炎について書くことになったきっかけの症例のこでは・・・
病院に来て最初の頃は元気がない状態でしたが、治療を進めていくと・・
日に日に元気になっていき、食餌を与えると待ってましたと言わんばかりに勢いよく食べてくれました。
この姿をみているとよかったとホッとする気持ちになりました。
元気になって行く姿をみるのはいいものですね。
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