ウサギの乳腺腫瘍
避妊手術をうけていない雌のウサギで、子宮腺癌についで多い疾患が乳腺腫瘍です。
今回、ご紹介しますのはネザーランド・ドワーフのいちごちゃん(♀・6歳)です。
右側の2番と3番目の乳房間にしこり(下写真黄色丸)があり、最近大きくなってきたとのことで来院されました。
早速患部を穿刺して、細胞診を実施しました。
検査結果は、乳腺癌です。
ウサギの乳腺腫瘍の90%以上が乳腺癌で悪性腫瘍です。
また乳腺癌は転移しやすく、肺やリンパ節への転移もあります。
レントゲン撮影を行い、肺野の腫瘍の転移を確認します。
腫瘍の転移は認められず、乳腺癌の摘出手術を実施することとなりました。
いちごちゃんは頸のところにあるマフラーが非常に発達しているため、手術台を傾斜させマフラーが気管を圧迫しないようにします。
摘出患部からの出血はほとんどなく、手術は無事終了しました。
いちごちゃんは術後の経過も良好で、患部は綺麗に治癒しました。
今後、乳腺癌の再発あるいは他の乳房への転移を経過観察していきます。
つまるところ、1歳までに避妊手術を積極的に受けていただくことで乳腺癌の発症を防いでいただきたいと思います。