フィラリア予防は万全ですか? ~加藤獣医師便り~
獣医師の加藤です。
今年もあと半年きりましたが
予防はきちんと出来ていますか??
特に夏に向けて注意してほしい予防は
「犬フィラリア症」です。
今回は、
みなさんに今一度確認してほしい
フィラリア症についてお伝えします!
実は数十年前では、残念ながら・・・・
多くのワンちゃん達が5~6才でフィラリア症が
原因で亡くなっていました。
現在では、飼い主様のフィラリア症に対する認識が広まり、
少ない病気の一つとなりました。
しかし、100%予防できる病気ではありますが、
全ての飼い主様には伝わっていないのが現状です。
では、どのようにしてフィラリア症に感染してしまうのか?
簡単にご説明いたします
まずフィラリア症になるには、
蚊が媒体になっていることはご存知でしょうか?
蚊がフィラリア幼虫を吸血時に、
感染犬から非感染犬へと移していきます。
フィラリアの幼虫は脱皮を繰り返しながら発育し、
犬の組織→血管内→心臓の肺動脈へ最終寄生(成虫)します。
下記の図を参照
そして、下記の写真にある
白く細長い、そうめん状の長さ最大30㎝の成虫が
心臓の右心室や肺動脈弁に絡みます。
この成虫が血流を妨げることで、
心不全、肝臓、腎臓、肺などに障害を及ぼします。
※実際のフィラリアの成虫
フィラリアの予防と言っていますが・・・
犬の組織内の発育段階の幼虫を駆除しています。
組織に入ってすぐの段階や、
血管内に入った幼虫には十分に駆除できません
上記の理由から、
蚊にさされてから1か月後からの予防薬をスタートさせ、
「1か月毎」に、お薬を飲ませていただき、
蚊がいなくなってから、
1か月後まで予防を続けていただくことが大切です。
つまり4月~12月までが
薬を飲ませる時期となります
また、十分に駆除できない段階の幼虫がいると、
上記で説明しましたが・・・
万が一、お薬をすり抜けて
成長したフィライアがいる状態で薬を投与しますと、
副作用が生じることもあります
よって、当院はお薬を投与する前は、
必ず血液検査を行い、
フィラリアがいないことを確認してから投薬をしています。
※当院のフィラリア検査キット
話が長々となりましたが、
なぜ予防(成虫にさせない事)が大切かと申しますと、
予防より、成虫駆除がかなりの治療へのリスクや
本人の負担や経済負担を伴うからです。
なお、詳しい治療法は、
説明が長くなりますので割愛しますが、
ワンちゃんや飼い主様には、つらい治療になります。
その為にも
12月まで引き続き
フィラリアの治療(予防)を続けてくださいね。
ここまでの説明で聞き足りないことがあるようでしたら、
獣医師、スタッフに気兼ねなく、
おたずねください。
お待ちしています
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