小型齧歯類の中でもハムスターは体表部に腫瘍ができる率が非常に高いです。

以前にもハムスターの皮下腫瘍としてコメントさせて頂いたことがあります。

ひとことで、体表部の腫瘍と言っても、発生する箇所によって色々な腫瘍のバリエーションが出て参ります。

飼い主様からの体表部の腫瘍についてのご質問も増えてきました。

今後、ホームページ上で体表腫瘍の症例報告をさせていただきたく思います。

今回ご紹介するのは、キンクマハムスター君の背部体表腫瘍のケースです。

黄色の矢印で表したように背部皮膚に2つの膨隆した腫瘍が認められます。

既に本人も患部を気にして咬んだりして、皮膚の一部が破れたりしてます。

キンクマ君の年齢、全身状態から麻酔にも十分耐えられると判断して、患部の摘出手術を早速行うこととしました。

患部を電気メスでできる限りのマージン(縁取り)を保って、切開摘出していきます。

問題は、小さな動物なのでマージンが余裕を持って取ることが出来ない点です。

できれば、ごっそりと皮膚ごと摘出したいところですが、予後を考えるとある程度のところで折り合いをつけるしかありません。

今回、摘出した腫瘍ですが、線維性組織球種であることが判明しました。

加えて、このキンクマ君は耳介内部にも腫瘍が存在しており、この部分こそマージンは取れません。

耳全部摘出するのが正しい選択かもしれませんが、飼い主様の意向も尊重して腫瘍のみを電気メスでカットします。

手術は約20分以内で終了させ、最後に皮下輸液を施しました。

麻酔覚醒後、キンクマ君はあまりに元気に動きますので、カメラのフォーカスを合わせるのが大変です。

元気に退院して頂いて良かったです。

ハムスターの体表腫瘍は色んな所にできるものだと思われた方は
 

 
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