デグーマウスのアカラス感染症
院長の伊藤です。
久々のブログ更新になります。
本日、ご紹介しますのはデグーマウスのアカラス(ニキビダニ)感染症です。
アカラスについては、犬の感染例を以前コメントさせて頂きました。
アカラスは犬のみならず、ハムスター等の小型齧歯類でも感染例は多くみられます。
アカラスの伝播様式は出生直後に母親から移されます。
一度、感染が成立するとその個体の体内でアカラスは生涯を全うし、他の個体に感染することはありません。
デグーマウスのディーズ君(6か月齢、雄)は、大腿部の脱毛が拡大しているとのことで来院されました。
両大腿部外側に広い範囲で脱毛が認められます(下写真黄色丸)。
痒みも伴っているようで自咬の傾向が出ています(下写真黄色矢印)。
まずは皮膚の掻破検査を実施します。
検査対象は外部寄生虫(疥癬、アカラス等)です。
顕微鏡で検査した写真を下に載せます。
黄色丸で囲んだものが今回の犯人であるアカラス(毛包虫)です。
拡大写真です。
アカラスが根毛の中に入り込み、増殖して脱毛が進行していきます。
治療法としては、イベルメクチンの内服を処方します。
投薬から1週間後の皮膚掻破検査では、アカラスが陰性でした。
さらに4週間後のディーズ君の患部写真を下に載せます。
脱毛していた患部には被毛がふさふさと生え揃っています。
免疫力が低下した結果、アカラスは増殖します。
完全にアカラスを制圧するのは難しいとされますが、今回のディーズ君の結果は良好です。
ディーズ君、お疲れ様でした!
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