小型げっ歯類の爪切り・切歯調整
げっ歯類の飼育でまずご注意頂きたいのは、常生歯と呼ばれる歯を彼らは持っているため、常に硬いものを咬ませて歯を摩耗させる必要があるということです。
齧り木も硬さの違うものを何種類か用意されると良いです。
切歯(前歯)が過長になると硬いものが齧れなくなります。
過長の原因は以下の通りです。
1:顎関節が生まれつきずれていて上下の切歯が上手くかみ合っていない。
2:齧り木を含め齧る対象物が飼育環境中にない。
3:嗜好性の問題で固いものを好んで食べようとしない。
当院では比較的短期間(約1カ月)で切歯が伸びて食欲が落ち、切歯の調整を受けられる小型げっ歯類が多いです。
下の写真は毎月切歯調整で来院されるキャンベルハムスターのリン君です。
専用の切歯カット用ニッパーで長さを調整してカットしています。
小型げっ歯類は比較的おとなしい子が多いので、一瞬で終わります。
次の写真はサハラ砂漠に生息するファットテールジャービルの大福君です。
大福君は私の手の中でも暴れることなく、非常におとなしい優等生です。
同じく切歯のカットをしています。
加えて、小型げっ歯類で気をつけたいのは爪の過長です。
前足で餌をもち食事をしますので、爪が長いと眼を傷つけてしまいます。
眼が開かないといって来院される場合、多くが爪の過長による角膜損傷です。
大福君の爪のカット写真も載せておきます。
最後にパキスタン・アフガニスタン地方に生息するピグミージェルボアの小雪ちゃんです。
体の全長が500円玉位の珍しいげっ歯類です。
小さすぎて聴診器をあてて聴診することができません。