ウサギの膿瘍(皮下にできる膿)は、発症例として非常に多いといえます。

特に歯牙疾患に由来する膿瘍は、しつこく完治させることが難しいです。

以前にウサギの膿瘍は総括的に載せましたが、あまりに発症件数が多いので、今後その詳細を載せていきたいと思います。

今回ご紹介しますのは、ライオンヘッドラビット君です。

上の写真をご覧いただいても、何の写真やら分からないかもしれません。

黄色の丸で囲んだのが右の眼です。

オレンジの丸は眼下の膿瘍を指しています。

黄色矢印は鼻のある側を指しています。

オレンジの丸内は、皮膚が黒くなっていますが、すでに皮膚が壊死を起こしています。

黒くなっている皮膚は簡単に裂け、まず膿瘍を綺麗に洗浄しました。

壊死を起こした皮膚が開いて多量の膿が貯留していました。

長毛のため、気づかなかったのですが下顎にも膿瘍があり、同じく洗浄を実施しました。

加えて上顎臼歯が伸びて頬の内側を穿刺していましたので、過長した臼歯をカットしました。

その後は患部に蛋白融解剤やアイプクリームを入れ、抗生剤の内服をお願いしました。

2週間後の写真を下に載せました。

やっとライオンヘッドラビット君の顔形が判明したことと思います。

投与した薬の反応も良く、比較的短期間で回復しました。

膿瘍の原因は臼歯過長によるものです。

臼歯が伸びたか否かは、ご自宅で確認することは困難です。

専用の開口器を使用して、ライトを照射して当院では確認しています。

おそらく膿瘍が形成される前にすでに伸びた臼歯によって、舌や頬内側が傷を負っていますから、過剰な涎が出ているでしょう。

その場合は下顎が涎で濡れているはずです。

開口器を使用しなくても下顎が濡れていたら、臼歯は伸びていると考えて下さい。

そして、その段階で病院で受診して頂ければ、膿瘍で長く苦しまなくても済むと思います。

臼歯過長が原因のウサギ顔面の膿瘍が多いことをご理解された方は
 

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