ウサギは何でも齧ります。

ウサギの歯は、常生歯という持続的に伸び続ける形態である以上、絶えず硬いものを齧って歯を摩耗させていかないと過長歯となります。

過長した歯棘が口腔内に傷害を与え、最終的に食欲減退に至ります。

齧り木だけ齧るウサギの場合は何の心配もありませんが、齧る対象が家電製品のケーブルであったら?

というのが、今回のテーマです。

ミニウサギのクルチェちゃん(1歳、雌)は家電製品のケーブルを齧ってから、食欲がなく口の周辺が腫れているとのことで来院されました。

以下の3枚の写真をご覧いただいて、口の周辺部が赤く腫脹しているのがお分かりいただけますか?

下写真の黄色丸で囲んだ箇所が腫れています。

電気コードを咬んで、感電した犬の診察を過去にしたことがあります。

その時は口腔内の熱傷と胃内に通電した結果、胃潰瘍を伴っていました。

その犬の場合は、咬みきったコードをある程度の長さまで飲み込んでしまったための結果です。

今回のクルチェちゃんの場合は、ウサギであるがゆえに電気コードを口先で齧っていたために口吻部のみの熱傷でとどまったと思われます。

口腔内を確認するために、開口器を用いて検査します。

舌が暗赤色に腫れ上がって(黄色丸)、上皮が熱変性して剥離しています(黄色矢印)。

水は何とか飲めるようですが、チモシーやペレットは厳しいかもしれません。

抗生剤とステロイド剤を処方させて頂きました。

しばらくの間は流動食でつないでいただく必要があります。

ウサギをケージから放って室内を徘徊させる習慣があるご家庭は、くれぐれも家電製品のケーブルを齧ったりしないように、細心の注意を払って下さいね!


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