獣医師中嶋のコラム ~麻酔薬の種類 静脈麻酔(第4回)~
こんにちは、獣医師の中嶋です。
節分も過ぎて、少しずつ日も長くなってきましたが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
愛知県内でもインフルエンザが流行っているようですが、
皆様も体調を崩されぬ様にお気を付け下さい。
さて、前回は全身麻酔に必要な吸入麻酔についてお話しさせていただきました。
前回のコラムはこちら
今回は注射麻酔、主に全身麻酔に必要な静脈麻酔について
お話させていただきます。
・静脈麻酔とは
静脈麻酔は血管の静脈から投与する麻酔です。
多くの場合動物では、腕の血管(橈側皮静脈)から投与します。
血管に留置針というチューブを入れて、そこから投与をします。
毛を刈って消毒をしてチューブを入れます。
外れないようにテープで巻いていきます。
手術中の点滴もここのアダプターから行います。
動物では基本的には静脈麻酔と吸入麻酔を組み合わせて使います。
ほとんどの場合、まず静脈麻酔を入れて、鎮静がかかった所で、
吸入麻酔を入れて麻酔維持を行います。
全身麻酔の際、始めに麻酔薬(主に静脈麻酔)で鎮静、意識の消失を
行うことを麻酔導入といいます。
なぜ、吸入麻酔、静脈麻酔を組み合わせるかというと、吸入麻酔は動物が
麻酔を吸わなければ麻酔がかからないため、吸入麻酔自体の臭いで動物が
嫌がって息を止めてしまうことも多く、単独では麻酔導入に時間が
かかりすぎてしまうためです。
また、吸入麻酔は意識の消失、呼吸の抑制作用は強いですが、
鎮痛作用が弱いため注射麻酔や鎮痛薬の補助が必要です。
また、どの麻酔薬も単剤では、鎮痛、鎮静、筋弛緩を安全な投与量で
得ることは難しいです。
なので、何種類かの麻酔薬を適量ずつ使って安全な投与量で、
十分な麻酔を行うバランス麻酔を目指します。
静脈麻酔に使う薬剤には
オピオイド系、ベンゾジアゼピン系、バルビツール系、プロポフォール
ケタミン、アルファキサロン等があります。
これらは本院で使ってる麻酔薬の一部です。
このような薬剤を使って静脈麻酔を行っていきます。
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