獣医師平林の小話 ~ヘビダニ~
お久しぶりです。獣医師の平林です。
最近少し暖かくなってきたと思ったら、また寒くなってきて雪まで降ってきましたね。
青森県の大学に行っていたので雪を見るのは好きですし、心が落ち着く光景ではあるのですが、道路がひどく混雑するのだけは参ってしまいますね。
さて、今日のお話ですが、爬虫類の外部寄生虫の症例をご紹介させて頂こうと思います。
実は爬虫類の皮膚疾患、そして今回ご紹介することは出来ませんが消化器疾患、というのはとても来院数が多い分野になります。
そもそも犬猫の場合でも皮膚や消化器というのは来院理由の大部分を占める分野になります。
エキゾチックアニマルの場合はそれに加えて、「小動物は毎日一緒にいるご家族でも体調不良に気付きにくい」というなかでも食欲・排泄・体表面の不調というのは比較的気付いてあげやすいというのも理由かもしれません。
爬虫類の皮膚疾患としては脱皮不全、皮下膿瘍、低温火傷、感染症などなど紹介しきれないくらいあります。
その中でも今回お話するヘビダニについては、ある日突然なる病気、というよりお迎えの時に気を付けて欲しい病気になります。
ヘビに限らず爬虫類のダニというのははポピュラーな病気ではありますが、ちょっとだけ気を付けなければならない買い方、というのがあります。
即売会等のイベントです。
単純に全国各地のショップ、多種多様な生体が密集する空間でもありますし、移動のストレスで生体の免疫力が落ちている状況でもあります。
イベントは非常に楽しい空間ですし、僕自身も新しい子のお迎えを目的に参加したことがありますが、やはり店舗での購入よりもお迎え時からの体調不良で来院されるケースは多いように感じます。
とはいえ最近はコロナでそもそもイベントが自粛傾向ですので、今はあまり関係がなかったかもしれませんね。
さて、ではここからは実際の症例の写真をご紹介させて頂きます。
こちらは生後半年のデザイナーズカーペットパイソンさんです。
ベビーのヘビさんをお迎えしたところダニが付いていたようで、家の子全員にダニが移ってしまったとのことで、この子が代表して来院されました。
ヘビダニは鱗の隙間なんかによくいたりするのですが、色合いが黒っぽい子であること、ピントがうまく合わなかったことから良い写真が撮れませんでした。
ペットシーツに落ちていたダニ。こちらはとても見やすいですね。
こちらはダニをつぶしたところになります。
赤くなっていることから吸血しているというのが良く分かりますね。
治療法としては飲み薬での駆虫はもちろんのこと、家にいる子全員が治療をすること、飼育環境の清浄化(ケージ内の駆虫)、が必須になってきます。
ダニなどの外部寄生虫による皮膚炎は、不快感としてはかなり強い部類になるので早めに治療してあげたいですね。
お迎えした子は基本的には1ヶ月程度は先住の子とは隔離して飼育して頂いて、問題がないのが分かってから、もしくは健康診断を受けてから、一緒にして頂くと良いですね。
爬虫類に限らず、この記事を読んでつい自宅の子の皮膚チェックをしてしまった、という方は↓クリック↓して頂けるとありがたいです。