ノミの予防はされていますか? ~加藤獣医師便り~
獣医師の加藤です
梅雨の時期で、ジメジメしていますね
湿気が多いと熱の発散が妨げられたり、
雑菌が増殖しやすいので
熱中症や外耳炎が多いですね
そこで今回は、この時期最も活動的になる
『ノミ』のお話をさせていただきます
現在、当院では
ノミが多数寄生した子猫が多く来院しています
また、散歩に行ったら痒がるので、
皮膚をくまなく見ると
ノミが走っている姿や、
ノミの糞が被毛に付着しているのを
発見する事が多いです
*黒いツブツブはノミの糞です*
では、ノミが寄生することで犬や猫にどのような
被害があるのか
また、人間にもどのような害が及ぶのか
ご説明させていただきます
まず、犬や猫に及ぼす被害です
1:ノミアレルギー性皮膚炎
2:瓜実条虫の腸管寄生
3:多数寄生による貧血
4:猫ヘモプラズマ症(ノミが1つの感染経路)
1つ1つの詳しい病状の説明は
割愛させていただきますが
犬では強い痒みをひきおこし、
猫では重度の貧血になることもあります
次に、人間にもたらす被害です
1:ノミ刺咬症
2:猫ひっかき病
人間の場合は、人間の病院を受診し
ペットにノミが寄生していたことを
医師に伝えてください
次に、ノミの予防は
寄生した時だけお薬を投与すれば良いと
お考えの方が多いですが
それは違います
ノミのライフサイクルは
成虫が産卵→卵→幼虫→さなぎ→成虫
となります
卵が成虫になるスピードは
梅雨から夏が最も早いのです(12日~14日)
また、寄生後24~48時間で産卵するので、
ノミを発見した時には
動物の皮膚や、家の中には
多数の卵はいることになります
想像しただけで恐ろしいですね
しかも、気温が13℃あれば卵はふ化するため、
冬の暖房のきいた室内では・・・
以上のことから、ノミを寄生させないことが
一番大切であることが
おわかりいただけたでしょうか
当院では、ノミ予防として
ワンちゃんでは
首の辺りの皮膚に垂らす液体タイプ(フロンラインプラス)と
食べるタイプ(ネクスガード)のお薬があります
当院では、食べるタイプ(ネクスガード)のお薬を推奨しています
理由としては
被毛が濡れないため、投与後すぐに
シャンプーができる
多頭飼いのお家では犬同士が触れ合っても大丈夫
赤ちゃんが触れても安心
また、垂らすタイプで投与した箇所を気にしたり
皮膚が赤くなるようなワンちゃんは
食べるタイプをオススメします
ネコちゃんには
液体タイプ(レボリュ-ション)のみがございます
どれがご自身のペットに良いか
気兼ねなく当院スタッフに
おたずねくださいね
最後にノミを捕まえても、つぶさないでください
ノミの雌のお腹には卵がいっぱいです
ノミをつぶすことで、その場に卵を散乱させてしまい
駆除に時間がかかることになります
ノミの寄生に気をつけようと思われた方は
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