マダニの予防はされていますか? ~加藤獣医師便り~
こんにちは
獣医師の加藤です
梅雨あけましたね
みなさんは、夏どう過ごされますか?
わたしは、美味しいカキ氷を食べに行こうと思ってます
今回は、前回のノミに匹敵するほど
寄生することが多い
『マダニ』のお話です
*マダニ拡大写真です
では、マダニはどこに生息しているか
ご存知ですか?
山の中や河原、公園などの草むらに生息しています
葉の裏側に潜み、動物が近ずくと
飛びついて寄生します
草むらに顔をつっこんでいる
ワンちゃんや
山の中を自由に駆けている
ネコちゃんの
鼻先、目の周辺、耳の中によく見かけます
*耳の入口付近に吸血しています
*5分ほど草むらに顔をつっこんで遊んでいた所、
顔全体にマダニが多数寄生したため当院に来院されました
*この写真は院長が撮影したもので、
フロンラインプラスのパンフレットにも掲載されています
では、マダニ予防がなぜ必要かと言いますと
動物や人間に
恐ろしい病気を媒介するからです
特に犬では
『犬バベシア症』
が最も恐ろしい病気です
マダニが吸血する時に
バベシア原虫を犬に感染させます
バベシア原虫は犬の赤血球に寄生し破壊します
重度貧血、発熱、食欲不振、黄疸などがみられます
場合によっては、死にいたる病気です
薬で治療していくのですが、
大量寄生で、治療が間に合わなかったり、
治療が成功しても
全てのバベシア原虫を殺すことができず
再発することが多いのも特徴です
つまり
治療が困難であるため、
マダニに寄生されないよう予防することが
非常に大切になってきます
次に、人間の病気です
1:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2:日本紅班熱
特に『SFTS』は、
近年、死亡例も報告されていますよね
まだ、愛知県では感染の報告はないようですが
温暖化の影響もあり
今後、注意が必要と思われます
写真提供:日本全薬工業株式会社
院内セミナー資料
以上のことから
ワンちゃん、ネコちゃんの
マダニ予防の重要性がお分かりいただけたでしょうか?
ちなみに
マダニを見つけても
絶対に、手で取らないでください
マダニはくちばしを
動物の皮膚に刺し
抜けないようにセメント様物質で固定します
よって
無理に取ると、くちばしだけが残り
皮膚炎になる可能はあります
マダニを見つけたら
予防薬を投与し、死んで自然と落ちるのを待つか
動物病院でくちばしごと、もぎ取る方法があります
皮膚ごと取るので
出血が伴いますし、痛がります
やはり
予防しておくのが一番ですね
当院スタッフの愛犬『イヴちゃん』です
イヴちゃんもマダニ予防しっかり行っています
当院では
前回のノミのお話でも紹介させていただきました
ネクスガード(犬のみ)をオススメしています
マダニが病原体を媒介する危険性が高いのは
吸血から48時間以降
と言われています
ネクスガードは投与してから
24時間以内にマダニを駆除できます
よく散歩に行ったり、夏は山に連れていく、
愛知県より南の方にワンちゃんと帰省する方は
特に予防をオススメします
マダニ寄生は恐ろしいと思われた方は
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