犬の熱中症(その2)
こんにちは 院長の伊藤です。
連日、猛暑が続いています。
飼い主様もペットの動物達も夏バテはされていませんでしょうか?
この時期になると必ず話題に上るのは、熱中症です。
先日に引き続き、熱中症の症例をご紹介します。
ヨーキーとシーズーの雑種のマリエちゃん(3歳、雌、体重4.3㎏)は、突然呼吸が荒くなって、体が熱い、起立不能の症状で来院されました。
体温を測定しますと41度と高いです。
起立不能のため、まずは留置針を入れて点滴のルート確保をします。
血液検査も同時に実施しました。
肝機能(GOT,ALP等)と炎症性蛋白(CRP)が高値を示しています。
加えて低カルシウム血症であることも判明しました。
マリエちゃんは10日前に出産をしており、おそらく出産のために体内のカルシウムを消費してのことと考えられます。
体温を下げるため腋下や内股に保冷剤を当てて、体全体を水で濡らしたタオルで包みました。
サーキュレーターで風を当てて、体温を下げて行きます。
体温が38度台に戻ったのを確認してから、今度は低カルシウム血症を改善するためにカルチコールをシリンジポンプで投与していきます。
少しづつではありますが、意識が戻ってきています。
体にも自発的に動きが出て来ました。
入院室に移動して、点滴を続けていきます。
5時間ほど経過したところ、マリエちゃんは立ち上がりました。
眼にも力が入ってきました。
多量に排尿も出来ています。
翌日には、マリエちゃんは食欲も出て来ました。
血中カルシウム値も正常に近い所まで戻ってきています。
肝機能はまだ高値を示していますが、これも時間の経過とともに改善していくと思われます。
入院して4日目にマリエちゃんは退院して頂くこととなりました。
お迎えに来た飼主様(お子様)とのツーショットです。
毎年この時期になりますと、飼主の皆様に熱中症の注意勧告のため、このような記事を載せております。
熱中症になり、治療の甲斐なく亡くなられるケースもあります。
熱中症対策の具体例は、前述の過去の記事をご参考にお願い致します。
マリエちゃんも元気に退院されて、赤ちゃんたちのお世話ができるようになりました。
マリエちゃん、お疲れ様でした!
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