こんにちは 院長の伊藤です。

日光を過剰に浴びることで、紫外線に鼻周辺の皮膚が炎症反応を起こしてしまう疾病があります。

特に鼻周辺にメラニン色素の少ない犬種に発症しやすく、その代表格がコリーやシェルティで称してコリーノーズと呼びます。

症状としては、鼻鏡(鼻の正面)から鼻梁(鼻から額の正中線にかけての部分)に局所的に脱毛が始まり、発赤、斑点、痒み、膿疱(のうほう)、糜爛(びらん)と症状が悪化していきます。

今回、来院されたシェルティ君は幼犬期から鼻にコリーノーズを認めるケースで、投薬して一旦快方に向かっても休薬すれば、また再発を繰り返しています。

今回の鼻の症状はそんなに酷くはありませんが、黄色の丸で囲んである病変部をご覧ください。

鼻の背面部の色素脱落、痂皮形成、脱毛が目立ちます。

この病気の原因として、紫外線に対する免疫反応が挙げられます。

特に屋外で飼育されている場合、直射日光を避けて下さい。

コリーノーズが高度に進行しますと鼻の軟骨部が変形してしまう場合もあります。

また病状が進行して日光性角化症を経て扁平上皮癌という皮膚癌に移行するケースもあります。

以前はこの鼻周辺部に入れ墨を施して紫外線を防ぐことで、コリーノーズを予防していたという話があります。

現状では、紫外線に対する免疫反応を抑えるためにステロイド剤を内服して頂き、治療を進めています。

加えて長い時間の散歩は控えていただき、犬舎は屋内か日陰に移動して下さい。

紫外線による暴露が最小限に抑えられれば、症状もある程度までは落ち着きます。

にほんブログ村ランキングにエントリーしています。
 
 
宜しかったら、上記バナーをクリックして頂けるとブログ更新の励みとなります。
 
もねペットクリニック