フェレットの肛門脱
こんにちは 院長の伊藤です。
肛門脱は、腹圧をかけて頻回の排便・排尿困難行動の怒責の結果として発症します。
その怒責の原因として、重度の下痢・前立腺肥大・前立腺炎・膀胱炎などが挙げられます。
本日、ご紹介しますのはフェレットのロビン君です。
フェレットは短足で胴が長いため、腹圧をかけて排便を頻回にするようになると肛門脱になり易い特徴があります。
肛門が脱出して、痛みがあり床にお尻をこすり付けて出血も認められるとのことで来院されました。
見るからに痛々しい感じですね。
結局、この脱出している肛門を元に整復しなければならないのですが、軽度の怒責であれば肛門周囲を糸で巾着縫合する方法を用います。
しかしながら、今回は怒責が強くて、おそらく巾着縫合では治療後も再発の傾向が強いと判断しました。
その結果、注射筒を改造してこれを肛門に挿入する方法を採りました。
下写真が改造したプラスチック注射筒です。
底面に縫合糸を通す穴を開けました。
ロビン君に全身麻酔をかけてこの器具を挿入します。
この方法による直腸の固定は巾着縫合法より良好とされています。
排便時の抵抗も少ないと評価されています。
この状態で1週間生活して頂きます。
1週間後にこの注射筒をはずして肛門が元の位置に収まってくれれば治療は終了です。
しかし、この方法でも再脱出するようであれば、おそらく直腸も一緒に脱出してきますので外科的に直腸切断手術を実施しなくてはなりません。
ぜひこのまま治癒してほしいものです。
頑張れ! ロビン君!!
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