アメリカモモンガのコクシジウム感染症
こんにちは 院長の伊藤です。
モモンガと言えば、フクロモモンガが最近ではポピュラーになってしまいました。
一方で、少数ですがアメリカモモンガの愛好家の方もみえます。
アメリカモモンガは齧歯類リス科モモンガ亜科に属するモモンガでリスの仲間です。
フクロモモンガは有袋類であり、カンガルー目フクロモモンガ科フクロモモンガ属に属します。
フクロモモンガはどちらかというと猿のイメージに近いのではないでしょうか?
一方、アメリカモモンガは空を滑空するムササビのイメージに近いと思います。
今回、ご紹介しますのはアメリカンモモンガのペアです。
アメリカモモンガのモモタ君(雄・年齢不明)とチョコちゃん(1歳、雌)です。
特にチョコちゃんは軟便・下痢便が長らく続くとのことでの受診です。
黄色丸が軟便を示しています。
自分で踏みつけてケージ内を汚しています。
特に際立って不調を示す臨床所見はないのですが、軟便が長引くということは寄生虫検査を含めた検便が必要です。
早速、検便をした結果、コクシジウムが検出されました。
拡大写真です。
サルファ剤をしばらく投薬して駆虫を実施します。
フクロモモンガでは圧倒的にジアルジア感染症が多いのに対して、アメリカモモンガはコクシジウム感染症というのは興味深いことです。
フクロモモンガのジアルジア感染症に興味をお持ちの方はこちらをクリックして下さい。
もしアメリカモモンガを飼育されていて、長きにわたる軟便が認められましたら、動物病院で検便を受けることをお勧めします。
モモタ君もチョコちゃんと一緒に駆虫をすることとなりました。
ペアと言うことは、2匹同時に治療を進行させなければ、病原体を移しあうこととなりますので止むを得ませんね。
そんなアメリカモモンガですが、輸入規制対象動物ということで取り扱っているショップも非常に少ない、今後希少種となると思われます。
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