ドッグランの憂鬱
お盆休みや正月等、休みが続く時はドッグラン利用犬の事故が多いという事実があります。
皆様の中には日常的にドッグランをご利用されて見える方も多いと思います。
ご近所に愛犬を自由に放して、思う存分走らせられるような場所がある方は少ないでしょう。
そんな飼い主の思いが集まって、愛犬たちが一つの空間を共有して楽しむという所からドッグランは始まったと思います。
飼い主たちで愛犬談義をする一方で、愛犬たちは思い思いに自由にドッグランの空間を利用します。
傍から見ていると微笑ましい感じです。
しかし、すべてが都合よく回らないもので、理性を持ち合わせていない犬達は喧嘩をすることも度々です。
当院では、以前から休日にドッグランに遊びに行き、よその犬に咬まれて耳がちぎれて大出血のまま担ぎ込まれたり、肢の靭帯を咬み切られてびっこをひいたりする犬達も治療しています。
いろんなホームページにもドッグランの問題点や咬傷から民事訴訟まで発展したケースやら意見が寄せられています。
私が思うドッグランの問題点は、
1:各犬達のしつけのレベルが同じでないのに一堂に同じ空間を利用しなければならないこと
たとえば飼い主の呼びかけにも全く無視するような犬であれば、当然ドッグランでアクシデントが起こった時などは、その子をコントロールすることなどできません。
特に犬同士の喧嘩の仲裁に飼い主が入ろうとすれば、飼い主が咬まれて危険な状況になると思います。
最低限のしつけが根付いている犬達、ある程度の社交性を持ち合わせた犬達がドッグランを利用してほしいものです。
2:基本的なマナーを守れない飼い主がいること
糞便の後始末をはじめとして、遊具(ボールやひも等)の管理がしっかりできてないと異物誤飲を起こす犬も現れます。
発情中の犬がドッグランを利用するのも問題でしょう。
飼い主自身が他の飼い主と普通にコミュニケーションできる人であることが大事です。
3:愛犬への衛生的配慮をしていない飼い主がいること
狂犬病予防接種や混合ワクチン接種を済ませている犬達が利用すること。
加えて犬回虫などの寄生虫病に罹患していないこと。
これらの項目をクリアできていなければ、利用した犬達が各種感染症にかかる可能性が生じます。
私が申し上げた項目をクリアするためには、会員制や有料制で専属の管理者がいないと難しいと思います。
くれぐれもドッグラン利用の際は、愛犬の行動をよく観察して、ほかの犬達とのコミュニケーションに注意を払って下さい。
大型犬がドッグランで喧嘩を始めたら、不用意に仲裁に入らないでください。
犬に水をかけて冷静にさせるなり、距離を保ってアプローチして下さいね!