アーカイブシリーズ 犬の異物誤飲 (ボール)
こんにちは 院長の伊藤です。
本日は、当院HP上で各疾病別のコンテンツに収録されているブログ記事から再度、皆様に見て頂きたい内容をアーカイブシリーズとしてご紹介させて頂きます。
当院のHP上のブログ記事も遡ると10年ほど前から掲載しておりますが、そのまま埋もれてしまうのは残念に思う記事も多数あります。
今後、そんな記事を選んで不定期にご紹介したいと思ってます。
機会を見て、載せて行きますのでよろしくお願い致します。
フレンチブルドッグのカミュ君はボールを誤飲したとのことで来院されました。
当初、直径3cm位のボールと伺っておりましたので、他院で嘔吐をさせる薬を飲んでもらい、吐き出してくれたら良いかなと悠長に構えていました。
何度も餌付くのですが、なかなかボールらしきものは出てきません。
ひとまずレントゲン撮影を実施しました。
するとしっかり、測定すると直径6cmものボールが胃内に納まっておりました。
これがそのレントゲン像です。
本人はケロッとしていまして、特にお腹が痛い感じもありません。
6cmというとかなり大きな異物なんですが、フレンチは食道も太く、勢いで飲み込んでしまったようです。
結局、カミュ君は胃切開手術を受けることとなりました。
本人はそれほどの緊迫感も無いまま、手術室へ向かいます。
下の写真はカミュ君の手術の模様です。
これが摘出したボールです。
術後はしばらくは流動食の生活が待っています。
多くの異物誤飲犬は入院中ダイエットをして、スリムな体になって退院されます。
実際、異物を飲み込むのはあっと言う間のことです。
この瞬間を注意してみている飼い主様はまずいません。
飲み込まれたのに気付いて、吐かせようとすれば、本人は取られたくないから嚥下してしまう。
過去の手術した犬達はみなこんなストーリー展開です。
そして異物誤飲する犬は、その後も何度となく誤飲を繰り返します。
飼い主様がこの子は誤飲する子なんだという、意識を持って接して下さい。
もし異物(おもちゃ)で遊ばせる時は最大限の注意を払って下さいね!
最後に元気に退院されたカミュ君です。
嘔吐処置で吐き出すことが出来れば良いのですが、最悪開腹手術となることもあることを認識下さい。
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