アーカイブシリーズ 犬の異物誤飲(多量の飴)
本日もアーカイブシリーズの犬の異物誤飲をご紹介させて頂きます。
今回、ご紹介させて頂きますのはフレンチブルドッグのブル夫君(1歳、去勢済)です。
飼い主様の申告では、飴玉が入っている袋ごと漁って、中身の飴玉を食べてしまったとのこと。
飴玉は1つずつ包装されており、数十個は大袋に入っていたそうです。
包装紙は消化不可能な素材でできており、もし数十個も誤飲されたら腸閉塞になる可能性があります。
加えて、胃内に浸透圧で水分が貯留したり、急性の高血糖による昏睡状態に至る可能性もあります。
ブル夫君には可哀そうですが、胃を切開して飴玉の包装紙を全部回収することとしました。
まずはブル夫君を全身麻酔します。
胃にメスを入れます。
胃を切開しますと、飴玉の香料が胃内にむせ返るほどに充満していました。
胃内は胃液で一杯になっており、バキュームで胃液を吸引することとしました。
胃内に鉗子を入れますと、飴玉の包装紙が一杯入っているのが分かります。
下写真黄色丸が包装紙です。
包装紙の取り残しが無いように丁寧に回収していきます。
結局、なんだかんだで包装紙を集めたところ、20枚近く胃に入っていました。
胃の中に包装紙の取り残しがないことを確認してから、胃を縫合します(下写真黄色丸)。
この包装紙がくせもので、腸に降りてから腸閉塞を起こされるよりは胃の中にあるうちに一掃した方が賢明です。
ブル夫君には、しばらく点滴の生活をして頂くこととなります。
犬からすれば、飼主様が口にしているものは旨いにせよ、不味いにせよ、興味津々です。
飼い主様と同じものを口にしたいという潜在的欲求を持っています。
眼を離した隙に犬におやつを食べられてしまった等と言う話は、毎日のように耳にします。
くれぐれも、あなたの傍らに座っておやつの強奪計画を練っている犬にご注意ください!
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